「就労移行支援事業所の利用を検討しているが、どのように見学や体験ができるか、方法がわからない」と悩んでいませんか?
利用の前には、いくつかの事業所で見学や体験をし、安心して通所できるのか確認しておくことをおすすめします。
今回は、就労移行支援事業所の見学・体験の流れをご紹介します。
【笹本美結】
就労移行支援事業所ルーツ支援員/Puente代表
就労移行で働いている経験を生かして、就職・障がい福祉に関するお役立ち情報を発信します。皆さんのお役に立てると嬉しいです!
目次
就労移行支援事業所の見学って何をするの?
見学に行く時の持ち物
見学に行く時は、事業所側から指定されない限り、特別な持ち物は必要ありません。
説明で重要なことを聞いたらメモできるように、筆記用具とメモ帳は持っていきましょう。説明資料をもらうこともあると思うので、A4サイズの書類が入るカバンもあると便利です。
万が一見学に遅刻しそうになった時に事業所に連絡できるように、事業所の連絡先が確認できるものもあると良いでしょう。
どんな服装で見学に行ったら良いの?
服装の指定は無いことが多いです。特別な指定が無い場合は、リラックスできる格好で問題ありません。
支援員は、普段通りの皆さんとお話したいと思っています。
就労移行支援事業所を見学する時の流れ
気になる就労移行支援事業所に見学予約をする
気になる事業所を見つけたら、まずは相談・見学の予約をします。
事業所のほとんどは相談も見学もお金がかからないので安心してください。
事業所ごとに異なりますが、電話やホームページ、LINEなどから予約ができます。
就労移行支援事業所の説明を聞き、悩みや不安を相談する
まず、ヒアリングで今の状況や不安、これからどうしたいかなどを話します。答えられる範囲で大丈夫です。
支援員はお話を聞くことになれているので、遠慮なく思っていることを話しましょう。
この時に、事業所を調べて知りたいことや聞きたいことをまとめておくこともおすすめです。
特に「どのようなカリキュラム・サービスがあるのか」「就職実績・職場定着実績」などに注目して事業所のイメージを掴みましょう。
相談や見学の際に配慮してもらいたいこと、心配事があれば、予約の際に連絡しましょう。
実際に事業所の中を見学する
見学では、事業所の雰囲気を体感してみて下さい。
就労移行支援を選ぶときは、訓練内容やカリキュラムに注目することに加え、「雰囲気が合うか」ということが重要になってきます。
空気感が嫌ではないかを確かめてみましょう。
見学をし、その事業所が気に入ったら体験利用をする
相談・見学を通じて、「通ってみたい」と思ったら実際に体験利用をします。
体験利用も無料の場合がほとんどです。
ヒアリングをもとに、支援員が体験できるカリキュラムを提案してくれます。
その中から「体験利用できそう」「体験利用したい」と思ったカリキュラムを選びましょう。
体験利用で事業所をより深く知り、本格的な通所前に事業所に慣れる時間にしてみてください。
「無理なく通える距離であるか」「職員は安心できるか」「プログラムに興味が持てたか」など事業所と自分の相性を確認してみましょう。
その後通所を決めたら、体験利用をしながら本格的に通所するための手続きを進めていきます。
見学・体験でチェックするべきポイント5つ
①希望に合ったカリキュラムがあるか?
利用する事業所を決めるにあたり、最も重要なのは、自分の希望に合ったカリキュラムがあるかどうかです。
事業所や運営会社によってカリキュラムは異なります。カリキュラムの内容をよく理解しないまま利用を開始してしまうと、自分の希望通りの訓練を受けられないかもしれません。
見学・体験を通して、その就労移行支援事業所では自分がやりたいことができるのか、よくチェックしなければなりません。
②就労実績や定着率は高いか?
就労実績や職場定着率は、その事業所の信頼度に繋がります。
その事業所で訓練を受ければ確実に就職に繋がるんだという安心感があると、訓練を受けるモチベーションも高まることでしょう。
見学でスタッフの人と話す機会があれば、確認しておきましょう。
③無理のない通所範囲で、働きたいエリアにあるか?
就労移行支援でスキルを身につけるためには、継続的にそこへ通う必要があります。
しかし、どんなに良い事業所でも、通うのが大変では長続きしない可能性があります。
自宅からの距離や立地も、就労移行支援事業所を選ぶ上での重要な判断材料にしましょう。
④交通費や昼食の支給はあるか?
交通費や昼食は、原則自己負担である場合が多いです。
しかし事業所によっては、どちらか一方を、あるいは両方を負担してくれる場合があります。
事業所によって異なるので、見学・体験の際にチェックしておくと良いでしょう。
⑤スタッフとの相性は良いか?
事業所に継続的に通うためには、スタッフとの相性が良いことが肝心です。
自分が苦手なタイプの人と訓練を続けていくのはストレスになります。また、訓練を受けるモチベーションも下がってしまうでしょう。
見学・体験は、Webサイトや口コミだけでは把握しきれない事業所やスタッフの雰囲気を、肌で感じる絶好のチャンスです。
しかし、見学・体験の時は、利用者さんを増やすために、普段と違う雰囲気で接しているスタッフがいるかもしれません。
口コミなども参考にしつつ、見学・体験ではスタッフの雰囲気や人柄も掴めると良いです。
就労移行支援員が紹介する、おすすめの就労移行支援事業所3選
事務職を目指したいあなたにおすすめ「ココルポート」
「ココルポート(旧:Melk)」は、株式会社ココルポートが運営する大手の就労移行支援事業所。
「ココルポート」では500種類以上のプログラムやeラーニング講座が受けられます。また、マイクロソフトオフィス講座やMOS試験対策講座なども開講されるので、事務職やサービス業に活かせるスキルが身につけられます。
特化型の支援ではありませんが定着率が89.4%と高く、卒業した人が幅広い分野で活躍していることがわかります。
また大手の就労移行支援事業所では珍しく、交通費と昼食費の補助もあるのがポイント。
ココルポートの強み
・定着率がとても高い
・事務職を目指す方に圧倒的におすすめ
・交通費と昼食費の補助もある
ココルポートの弱み
・IT系など特化型の支援は行っていない
対象 | 精神・発達・知的・身体・難病 |
就労実績 | 1,325名 (2020年度) |
定着率 | 89.4% (半年間) |
対象地域 | 東京・神奈川・千葉・埼玉・福岡 |
事業所数 | 47事業所 (2020年度) |
就職率98%を誇る就労移行支援事業所「ミラトレ」
「パーソルチャレンジ・ミラトレ」は、パーソルホールディングス株式会社が運営する就労移行支援事業所。
パーソルホールディングスは障害者向け転職・就職支援「dodaチャレンジ」を運営しているため、障害者の就職に関するノウハウがありおすすめ。
ミラトレ全体での平均就職率は98%、定着率は80%と高い水準にあります。
また、臨床心理士などの専門資格をもつスタッフが在籍している点も評価できるポイントです。
ミラトレの強み
・就職率98%と非常に高い
・短期間での就職実績がある
・就職、転職に特化してるパーソルグループのため、他所と比較すると就職に関するノウハウが圧倒的
・臨床心理士などの専門資格をもつスタッフが在籍
ミラトレの弱み
・一度就職経験がある方には合わないかも
・事業所がまだ少ない
対象 | 精神・発達・知的・身体・難病 |
就労実績 | 不明 |
定着率 | 80% (2018年度|半年) |
対象地域 | 東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫 |
事業所数 | 13事業所数 (2021年度) |
※公式ホームページへ飛びます
IT・デザインスキルを身につけるなら「ルーツ」
「ルーツ」は株式会社LOGZが運営する就労移行支援事業所。
ITに強く、ホームページ制作スキルやデザイン、プログラミングなど幅広いスキルを学べる就労移行支援。
事務職や販売職はもちろん、IT技術職の就労実績があるためおすすめです。個別のカリキュラムや講座があり、基本的なパソコンスキルに加えillustratorやPhotoshop、Ruby、Python、Premior Proなど10以上のスキル学ぶことができます。
ルーツの強み
・事務だけでなく専門スキルも学べる
・IT業界に就職できる
ルーツの弱み
・事業所がまだ少ない
対象 | 精神・発達・知的・身体・難病 |
就労実績 | 33名 (2020年度) |
定着率 | 78% (2020年度|半年) |
対象地域 | 東京(四ツ谷)、神奈川(横浜関内・川崎・横浜西口)、千葉(千葉)、大阪(新大阪) |
事業所数 | 7事業所 (2021年度) |
気になる事業所があれば、気軽に見学に行ってみましょう!
今回は、就労移行支援事業所の見学・体験利用についてご紹介しました。
ぜひこの記事をきっかけに、一人で抱え込まず見学・体験をして「ここに通いたい!」と思える就労移行支援事業所を見つけていきましょう。