ミスが続き、今の仕事を辞めたいが、どこに相談すればいいのかわからない。
ADHDの自分に合った仕事はないのかな。
この記事にたどり着いたあなたは、このように感じているのではないでしょうか。
この記事では、そういったADHDの方の仕事の悩みを解決するための情報をご紹介していきます!
【川島陸】
やる気満々のPuenteインターン生。
多くの人々に新たな可能性を提供したい。そういった思いで記事を執筆しています!
目次
そもそもADHDってなに?
ADHDとは発達障害の一種で、「注意欠如・多動症/注意欠如・多動症障害」とも呼ばれます。主に不注意、衝動性、多動性といった特性がみられる障害です。
ADHDには、特性の特徴によって「不注意優勢型」「多動・衝動性優勢型」「混合型」の3種類に分けられます。
主な症状としては下記のようなものがあります。
不注意優勢型の困りごと
・ケアレスミスをしてしまう
・忘れ物、なくし物が多い
・約束を守れない
・マルチタスクが苦手
・集中力が続かない
多動・衝動性優位型の困りごと
・じっとしていられない
・感情や欲求のコントロールが苦手で人間関係のトラブルを起こしてしまう
ADHDの方が抱える仕事の悩み
記入漏れなどのケアレスミスをしてしまう
ADHDの方が抱える仕事の悩みの一つ目は、記入漏れなどのケアレスミスをしてしまうことです。
これは特に、細かい作業を行う仕事をしている方に多い悩みです。
ADHDの「不注意」の特徴から、頼まれていたことを忘れてしまったり、確認作業をとばすことでケアレスミスをしてしまう傾向にあります。
タスク管理が苦手
悩みの二つ目は、タスク管理が苦手ということです。
タスク管理とは、自分の業務やタスクを把握し、進捗状況を的確に管理することを言います。
タスク管理には、複数の作業を行うことや、作業の優先順位・ToDoの設定をする作業が伴います。
ADHDの「不注意」の特徴から、マルチタスクが苦手で複数の作業に気がまわらなかったり、集中力が続かず作業の優先順位やToDoをうまく設定することができない傾向にあります。
気が散って集中力が続かない
悩みの3つ目は、気が散って集中力が続かないということです。
どんな仕事にも正確さが求められ、また、期限が設定されています。そのためあらゆる業務において集中して取り組む必要があります。
しかし、ADHDの方の場合「不注意」の特徴から、一つのことに集中することが苦手な傾向にあります。また、「多動性・衝動性」の特徴から、欲求のコントロールが苦手な傾向にあり、他の事に興味が移りやすいため、集中が続かないことがあります。
自分に合う職場や向いている職業がわからない
悩みの4つ目は、自分に合う職場や向いている職業がわからないということです。
「事務作業でミスをしてしまったため、今のまま次の職場で事務作業を任されてもまたミスをしてしまうのではないか。」そういった悩みを抱えている方は少なくありません。
また、「感情や欲求のコントロールがうまくできず、前の職場で人間関係のトラブルを起こしてしまった。次の職場でも人間関係でトラブルを起こさないだろうか。」そういった不安を抱いている方もいるでしょう。
転職を成功させるためにはしっかりと自分の症状や特性を理解すること、そして、自分にあった職業を見極めることが重要です。
ADHDの方に向いてる職業
ADHDには「不注意」「多動性」「衝動性」といった症状があり、注意力に欠けケアレスミスをしやすかったり、マルチタスクが苦手な傾向にあります。そのため総合職的な事務職を苦手とする方が多いです。ここでは、事務職以外で、ADHDの方におすすめの職業を紹介していきます。
「不注意」の特性がみられる方におすすめの職業
・デザイナー
・イラストレーター
・作家
ADHDの方は様々なことが思いつくことで、集中力が阻害されてしまい「不注意」が引き起こされる場合があります。そのため、アイデアや発想力が豊かという特徴があり、そういった特徴を生かした職業がおすすめです。
「多動性・衝動性」の特性がみられる方におすすめの職業
・営業職
・ジャーナリスト
・起業家
ADHDの方の特徴である「多動性・衝動性」に関しては「行動力がある」とも言えます。そのため行動力を生かした職業もおすすめです。
特定分野へ集中力を発揮する方におすすめの職業
・プログラマー
・エンジニア
・専門職
ADHDの方の中には、特定分野に対して特別な集中力を発揮する方がいます。そのため自分の興味に一致すること、特別な集中力が必要になる特殊分野の職業もおすすめです。
仕事の悩みはどこに相談すればいいの?
まずは医療機関に相談
ADHDの症状により仕事に支障があれば、自分一人で悩まずに、まずは医療機関に相談しましょう。
信頼できる病院に通院することで、あなたにあった専門的なアドバイスを受けることができます。
医師から診断を受ければ、薬物療法や精神療法を受けることもできます。しかし、発達障害を根本的に直す治療法は見つかっていません。まずは自分の症状を知り、自分にあった環境を選ぶといったことが重要です。
発達障害者支援センターに相談
発達障害者支援センターとは、発達障害者への支援を総合的に行う専門的機関のことで、各都道府県や政令指定都市に設置されています。
発達障害のある方とそのご家族・関係機関・施設からの、発達障害に関する様々な相談に対応してくれます。また、発達障害のある方が、必要な支援を受けられるようなサポートもしてくれます。
まずは気軽に地域の発達障害者支援センターに相談してみてはいかがでしょうか。
障害者就業・生活支援センターに相談
障害者就業・生活支援センターとは、障害者雇用促進法に基づき、18歳以上の精神障害者保健福祉手帳、療養手帳、身体障害者手帳のいずれかを持っており、一般就労を希望する人、またはすでに一般就労されている人を対象に支援をおこなう機関です。
障害者就業・生活支援センターでは、就労に関する相談から、「朝起きることができない」などといった日常生活の困りごとまで相談にのってくれます。
就業面、生活面での相談をしたいという方はまず、障害者就業・生活支援センターに相談してみてはいかがでしょうか。
就労移行支援事業所に相談
はじめて「就労移行支援事業所」という言葉を知ったという方も多いのではないでしょうか。就労移行支援事業所とは、難病や障害をお持ちの方を対象に、一般企業への就労を支援する施設のことを言います。
就労移行支援事業所には、職業訓練から応募・面接まで一貫してサポートしてくれる体制が整っています。
今のまま転職をしても、次の職場でうまくやっていけるか心配な方は、就労移行支援事業所に通所することをおすすめします。自分の症状をよく理解し、スキルも高めて自分にあった就職先を探してみてはいかがでしょうか。
次の部分でより詳しく就労移行支援事業所について解説していきます。
就労移行支援という選択肢
ADHDの方の就職・転職活動の相談をする施設として、就労移行支援という選択肢があります。
その就労移行支援とは、どのような施設なのかや、どのようなサービスが受けられるのかを紹介していきます。
就労移行支援とは?
就労移行支援とは、一般企業への就労を希望する障害や難病のある方に、職業訓練や就職活動のサポート、職場定着のサポートをする福祉施設です。
通所、またはオンラインで訓練を受けることが可能で、前年度の収入にもよりますが、ほとんどの方が無料で利用をしています。
スタッフとの面談で、個別支援計画が作成され、それに沿って支援を受けることができます。
どんなサポートが受けられるの?
訓練内容は就労移行支援事業所によって異なります。
就労移行支援は主に3つの種類に分かれます。
①就労移行支援の種類1:幅広く学べる一般型
②就労移行支援の種類2:障害種別を絞った特化型
③就労移行支援の種類3:支援内容を絞った特化型
就労移行支援の種類1:幅広く学べる一般型
一般型の特徴は主に4つあります。
・障害種別にほぼ全て対応
・ビジネスマナーやストレスマネジメント、事務スキルなど働く上で必要な汎用的なスキルを身に着けることができる
・事業所の数が多い
・就職率・定着率の高い大手の就労移行支援が多い
一般型の就労移行支援では、ExcelやWord、PowerPointなどの事務スキルの訓練を行っている事業所が多いです。
また、大手企業が運営している就労移行支援事業所も多く、安心感があると感じる方もいます。
一般型の就労移行支援に向いているのは、以下の方になります。
幅広い選択肢を検討したい方
自宅から近い就労移行支援に通いたい方
大手の就労移行支援に通いたい方
就労移行支援の種類2:障害種別に絞った特化型
うつ病や、発達障害など障害種別に特化した就労移行支援もあります。
例えば、ゼネラルパートナーズが運営する発達障害に特化した「atGPジョブトレ 発達障害コース(旧リンクビー) 」では、コミュニケーション講座が充実しています。就労後の職場でのコミュニケーションがスムーズに行われるように訓練をしていきます。
障害種別に特化していることにより、その障害の特性や症状にあったカリキュラムを受けることができます。
また、同じ病気や症状、悩みをもつ仲間もできるので、周りの人に悩みを共有しやすい環境ができます。
障害種別特化型が向いているのは以下の方になります。
障害受容をしていきたい方
自分の障害にあったカリキュラムや、障害に詳しい職員がいた方が安心な方
同じ悩みをもつ仲間が欲しい方
就労移行支援の種類3:支援内容を絞った特化型
プログラミングやWebデザイン、動画編集やeスポーツカリキュラムなど、支援内容を絞った特化型もあります。
ITスキルに特化した就労移行支援事業所にいくと、プログラミングやWebデザインスキルを身に着けることができます。そこでスキルを身につければ、エンジニアやWebデザイナーへの就職も視野に入れることもできます。
また、動画編集やeスポーツのカリキュラムなど、珍しいカリキュラムを組んでいる就労移行支援もあります。
ADHDの方におすすめの就労移行支援
一般型の就労移行支援
ココルポート
「ココルポート(旧:Melk)」は、株式会社ココルポートが運営する大手の就労移行支援事業所。
特化型の支援ではありませんが、マイクロソフトオフィス講座、プログラミング講座等の様々な講座を開いています。自分の特性がどこにあるのか、広い選択肢を見てみたい方にはおすすめの就労移行支援です。
またほかの就労移行支援事業所では珍しく、交通費と昼食費の補助もあるのがポイント。
ココルポートの強み
・定着率がとても高い
・豊富な種類の講座がある
・交通費と昼食費の補助もある
ココルポートの弱み
・特化型の支援は行っていない
対象 | 精神・発達・知的・身体・難病 |
就労実績 | 1,325名 (2020年度) |
定着率 | 89.4% (半年間) |
対象地域 | 東京・神奈川・千葉・埼玉・福岡 |
事業所数 | 47事業所 (2020年度) |
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LITALICOワークス
「LITALICOワークス」は株式会社LITALICOが運営する就労移行支援事業所。
株式会社LITALICOは業界では最大手。そのため地方にも事業所があり、かつどの事業所でも安定したサービスが提供されていると評判なためおすすめです。
LITALICOワークスの強み
・累計就労実績No1
・業界の最大手
・事業数が多い
LITALICOワークスの弱み
・特化型の支援は行っていない
対象 | 精神・発達・知的・身体・難病 |
就労実績 | 1,384人 (2018年度|全体) |
定着率 | 88% (2018年度|半年) |
対象地域 | 北海道・宮城・東京・神奈川・千葉・埼玉・栃木・静岡・愛知・兵庫・京都・大坂・岡山・広島・福岡・宮崎・沖縄 |
事業所数 | 94事業所 (2021年度) |
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発達障害に特化した就労移行支援
リンクビー
「リンクビー」は株式会社ゼネラルパートナーズが運営する就労移行支援事業所。
自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群、ADHD、LDなど発達障害専門のサービスです。発達障害に特化しており、ひとりひとりに担当がつくため、障害特性を理解した効果的な支援が評判!
リンクビーの強み
・発達障害専門カリキュラム
・障害特性を理解した効果的な支援
・定着率が高い
リンクビーの弱み
・事業所が3つしかない
対象 | 発達障害 |
就労実績 | 不明 |
定着率 | 90% (2020年度|半年) |
対象地域 | 東京(秋葉原・大手町)・大阪(梅田) |
事業所数 | 3事業所 (2021年度) ※2021年2月1日に横華事業所OPEN |
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Kaien
「Kaien」は株式会社Kaienが運営する就労移行支援事業所。
発達障害を専門にしており、講座や動画学習が充実しているのがポイント。
発達障害に理解のある企業のKaienだけの独自求人が150社以上あります。就職もスムーズに行えます。
また定着率も1年間で95%と驚きの高さです。
Kaienの強み
・事務だけでなく専門スキルも学べる
・定着率がとても高い
・独自求人がある
Kaienの弱み
・原則週5日通所(調整は可能)
対象 | 精神・発達 |
就労実績 | 1000人 (2015年度) |
定着率 | 95% (1年間) |
対象地域 | 東京(秋葉原・新宿・代々木・池袋・市ヶ谷)・神奈川(横浜・川崎)・大阪(天六・福島) パートナー事業所:福島・宮城・長野・大阪・愛知 (2020年度) |
事業所数 | 12事業所 (2021年度) |
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専門スキルに特化した就労移行支援
ジョブトレIT・Web
「ジョブトレIT・Web」は株式会社ゼネラルパートナーズが運営する就労移行支援事業所です。
2019年に開所した新しい事業所で、内装もおしゃれです。
症状別のコース制で、現役プロクリエイター講師のノウハウが詰まった動画講座と、専門スタッフによるサポートでプログラマーやWEB制作のスキルを身につけられるためおすすめの就労移行支援です。
ジョブトレIT・Webの強み
・事業所がおしゃれ
・Web制作のスキルが学べ
・Webスキル専門でやっているため特化している
ジョブトレIT・Webの弱み
・事業所が3つしかない
対象 | 精神・発達・知的・身体・難病 |
就労実績 | 新規開所のため不明 |
定着率 | 新規開所のため不明 |
対象地域 | 東京(渋谷・秋葉原) 千葉(舟橋) |
事業所 | 3事業所 (2021年度) |
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ルーツ(roots)
「ルーツ」は株式会社LOGZが運営する就労移行支援事業所。
ITに強く、ホームページ制作スキルやデザイン、プログラミングなど幅広いスキルを学べる就労移行支援。
事務職や販売職はもちろん、IT技術職の就労実績があるためおすすめです。個別のカリキュラムや講座があり、基本的なパソコンスキルに加えillustratorやPhotoshop、Ruby、Python、Premior Proなど10以上のスキル学ぶことができます。
ルーツの強み
・事務だけでなく専門スキルも学べる
・IT業界に就職できる
ルーツの弱み
・事業所がまだ少ない
対象 | 精神・発達・知的・身体・難病 |
就労実績 | 33名 (2020年度) |
定着率 | 78% (2020年度|半年) |
対象地域 | 東京(四ツ谷)、神奈川(横浜関内・川崎・横浜西口)、千葉(千葉)、大阪(新大阪) |
事業所数 | 7事業所 (2021年度) |
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ADHDの方の仕事の相談はぜひ就労移行支援事業所に!
今回は、ADHDの方の仕事の悩みの相談はどうすればいいのか、についてご紹介しました。
仕事の悩みは一人で抱え込まず、まずは誰かに相談してみることが一番です。
中でもおすすめなのは就労移行支援事業所に相談することです。多くの方が無料で通うことができ、様々なスキルを身に着けることができます。
就労移行支援事業所で、仕事の悩みを相談し、スキルアップも実現してみてはいかがでしょうか。