障害や難病を抱えている方の就労をサポートする就労移行支援。
利用期間は原則2年間と定められていますが、就職に結びつかなかった場合など延長はできるのか?と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、就労移行支援の利用期間について、3年目の利用はどういった場合に可能なのか、就労継続支援という選択肢についてご紹介します。
就労移行支援事業所ルーツ横浜関内の支援員として働いています。支援員の目線からわかることをご紹介します。
目次
就労移行支援の利用可能な期間は原則2年
就労移行支援を利用できる期間は原則2年間です。
この2年の間に、生活リズムを整え、コミュニケーション・ビジネスマナーなどの就職するためのスキルを身に付けながら、一般企業への就労に向けた就職を目指していきます。
ただし、必要性が認められれば最大1年の更新が可能です。
その後、引き続き職場に定着するまでケアを受けられる定着支援があり、期間は原則6か月間設けられています。
また、就労移行支援は就職をサポートする施設のため、雇用契約はなく、賃金も発生しません。年齢は18歳以上65歳未満の方が対象です。
最大1年延長し、3年利用できる場合がある
利用期間は、就職のタイミングによって人それぞれです。
もしかすると、利用期間中に体調を崩してしまったり、転居などのあらゆる場合で通えなくなる可能性もありますよね。
そのようなとき、3年目の就労移行支援の利用契約はできるのかご紹介します。
2年以内に利用を中断していた場合
就労移行支援を利用して、途中で辞めても再度利用をすることが可能です。
ただし、以前利用していた事業所以外であっても、利用期間をゼロからリセットすることはできません。
例えば、1年利用して中断した場合は、残り1年利用できます。
転居などで通えなくなった場合
基本的には転居先にある就労移行支援事業所に変更可能ですが、市区町村によって制度が異なるため、障害福祉課で確認が必要です。
2年通ったが就職に結びつかなかった場合
就活支援期間の2年で就労に結びつかなかった場合は期間を延長できる可能があります。
もし利用期間が1年半を超え、残り半年での就職が難しいと予想される場合は、支援員や役所と相談し、余裕をもって延長を考えるという選択肢もあります。
ただし、「必ず誰しもできる」ということではありません。
期間を延長できるかどうかは申請手続きを行なった後、市区町村の審査会によって決定されます。延長することで支援効果が見込まれるなどの合理的根拠があれば、最大1年間期間を延長することが可能です。
しかし、一般企業への就労が困難と見られる場合は、「就労継続支援」という、もう1つの支援制度を利用することも検討されます。
就労継続支援には、A型(雇用型)とB型(非雇用型)の2種類があり、就労移行支援で就職できなかった場合は、B型で引き続き就活支援を受けることができます。
ただし、就労移行支援制度と就労継続支援制度の併用はできません。
コロナウイルスの影響による「標準利用期間」の更新【2020年版】
2020年度内に標準利用期間の終了を迎える方の利用期間が、コロナウイルスの影響により、最大1年間までの範囲内で柔軟に更新することができるようになりました。
また、既に市町村審査会の個別審査を経て、現在3年目の方も、同様に更に最大1年間までの範囲内で更新することができます。
ただし、市町村によって対応が異なる場合がございますので、詳しくは該当する市町村までお問い合わせください。
(参照|厚生労働省 新型コロナウイルスへの対応に伴う就労継続支援事業の取扱い等について)
2年の利用期間の中で計画を立て、就労に向けた取り組みをする
延長できる場合があるとはいえ、やはり2年の利用期間の中で就職するに越したことはありませんよね。
2年の間で、就労支援員と計画を立てながら、就労に向けた取り組みをしていきましょう。
「個別支援計画」という一人ひとりに合わせた計画を、支援員の中でもサービス管理責任者が作成し、定期的に更新しながら、就労への計画を練っていきます。
就労継続支援という選択肢
就労移行支援事業所を2年間利用し就職に結びつかなかった場合は、延長申請をして就労移行支援の利用延長が可能な場合もありますが、一般企業への就職が現時点では難しいならば、就労継続支援への移行という選択肢もあります。
就労継続支援とは?
就労継続支援とは就労移行支援と似ていますが、実際には異なります。
就労継続支援は現時点で一般企業での就職が難しい、もしくは意志がない障害や難病を抱える方が対象となる制度です。利用者はビジネススキルの訓練や働く場所を提供することで、経験を通して就労するための力を身に付けることを目的としています。
就労継続支援はA型とB型の2種類がある
就労継続支援制度にはA型とB型があります。
共通している所は、利用期間の制限がないこと、違いとしては雇用契約や年齢制限の有無です。
A型では、事業所と雇用契約を結び、定められた給与をもらいます。年齢は、18歳から65歳未満の方が対象です。
B型では、事業所と雇用契約はありませんが、工賃は支払われます。年齢制限はありません。
もらえる金額はA型より少なくなりますが、その分労働時間などにも融通が効き、労働内容も考慮されます。
最後に
就労移行支援の利用期間延長申請は可能ですが、延長申請を出しても認められるかどうかは審議次第になります。
ですので、なるべく自分に合った事業所を選びをして、延長せず2年間で就労支援員とともに、就労を目指していきましょう。
障害や難病を抱えている方の就労を応援する就労移行支援事業所ルーツでは、個人の支援計画から生活リズムの安定、ITスキルの習得、そして就職後の定着支援までをサポートさせていただいています。
あなたに合った働き方を一緒に見つけていきましょう!