【ASD】自閉スペクトラム症の方が就職・転職を成功させるためには?

「自閉スペクトラム症(ASD)を抱えているけど就職したい」

「どうすれば就職・転職に成功できるのか?」

「自閉スペクトラム症(ASD)の就職をサポートしてくれるところはないのか」

この記事にたどり着いたあなたには、このような思いがあるのではないでしょうか。

自閉スペクトラム症(ASD)とは、発達障害の一つで、コミュニケーションに難しさを感じてしまう障害です。

この記事では、自閉スペクトラム症(ASD)の方に向いている職業や就職・転職での困りごと、就職・転職を成功させるための方法について紹介していきます!

自閉スペクトラム症(ASD)とは

自閉スペクトラム症(ASD)とは

自閉スペクトラム症(ASD)とは、対人関係、行動パターンに困難がある発達障害になります。

以前は、言葉の遅れがあり、相互的なコミュニケ―ションをとることに困難がある「自閉症」と、言葉の遅れは見られないものの、対人コミュニケーションに困難がある「アスペルガー症候群」は別のものと考えられていました。

「自閉症」と「アスペルガー症候群」には共通して、対人関係に難しさを感じたり、こだわりの強さなどがあります。

そういった共通点があることから、「自閉症」と「アスペルガー症候群」を別の障害として考えるのではなく、それらを一つの集合体としてとらえたものが「自閉スペクトラム症」です。

自閉スペクトラム症(ASD)の特徴

自閉スペクトラム症(ASD)には大きく2つの特徴があります。

①対人関係や社会的コミュニケーションが苦手

②興味や行動パターンが限定的(こだわりが強い)

①対人関係や社会的コミュニケーションが苦手

自閉スペクトラム症の方は、他者とかかわることが苦手で、自分の考えや感情を共有することが苦手です。

また、言葉以外のコミュニケーション、具体的には、ジェスチャーであったり表情を読み取ることが苦手な方が多いです。

そのため、複数人が集まるようなグループワークを行うことが不得意な方が多いです。

②興味や行動パターンが限定的(こだわりが強い)

自閉スペクトラム症の方は、興味や行動に限定したパターンがみられます。

興味を示す範囲がとても狭く、それに集中する傾向があります。

また、自閉スペクトラム症の方は、定まった行動パターンを繰り返すことで安心を感じる傾向にあります。

この傾向は「同一性保持」と呼ばれ、偶然の出来事や変化への対応が苦手です。

自閉スペクトラム症(ASD)の方が抱える就職・転職での困りごと

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面接でうまくコミュニケーションが取れない

自閉スペクトラム症の方は、他人とのコミュニケーションが苦手であるという特徴があります。

そのため、就職活動においての最も大きな困りごとは、面接での受け答えです。

面接では、想定される質問に対してあらかじめ答えを考えておくという方法がありますが、その場の流れで生まれる質問が大半です。

自閉スペクトラム症の方は、アイスブレイクの何気ない会話でうまく返答が出来ず、そのまま最後まで悪い雰囲気で終わってしまうことも多々あります。

自閉スペクトラム症の方は、面接で話過ぎてしまう傾向にあるので、3文までで質問に答えるなど自分なりのルールを決めておくことがおすすめです。

自分の強みが分からない

自閉スペクトラム症の方は、今までの生活で他人とうまくかかわることが出来ず、うつ気味になったりということがあります。

そのため、自分の強みが見つからず、自信が持てない方が多い傾向にあります。

就職活動をしていても、コミュニケーション能力が重要視されるため、さらに自信を無くしてしまう方が多いです。

自閉スペクトラム症の方は、特定の分野に強い興味を示し、集中する傾向があります。

そのため、プログラミング等の特定のスキルに特性を持っている場合があります。

何か自分が興味を持てるスキルを勉強することで就活で有利になる強みを獲得することがおすすめです。

自分にあった求人が見つからない

今まで、一般の方と同じように就職活動をしてきたという方も多いと思います。

一般枠で就職活動をしていると、書類選考は通っても面接で落とされてしまうという悩みのある方が多いのではないでしょうか。

障害者の方には、一般の方と同様の枠を目指す「一般枠」と、企業が障害者雇用のためにだす「障害者枠」という求人があります。

障害者枠で応募することで、企業はあなたの障害について配慮した条件を提示してくれます。

そのため、就職してからも、ストレスなく働くことができます。

「一般枠」と「障害者枠」について、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!

どこに相談したらいいのか分からない

「どこに相談したらいいのか分からない。」ということも自閉スペクトラム症の方に多い悩みではないでしょうか。

自閉スペクトラム症のことで通院している方は多いでしょう。

病院で生活面の相談はできても、就職のことはどこに相談したらいいのか迷っている方も少なくありません。

コミュニケーションが苦手であるため、他人に相談することも出来ず、困っている方は多いです。

実は、自閉スペクトラム症の方が就職について相談できる支援機関は多くあります。これから支援機関について詳しく紹介していきます!

自閉スペクトラム症(ASD)の方に向いている仕事

自閉スペクトラム症に向いている仕事の特徴は、以下の2点になります。

特徴・他人との関わりが少なく、一人での作業に集中できる
・偶発的な作業が少なく、規則やマニュアルが定まっている

自閉スペクトラム症の方が苦手なことを裏返し、得意なことを適用すると以下のような仕事が向いてると考えることができます。

・プログラマー

・デザイナー

・エンジニア

・専門職(経理、法務)

・事務

自閉スペクトラム症の方の中でもそれぞれ特徴があるので、自分の特徴をよく理解する必要があります。

そのため、自閉スペクトラム症の方が就職・転職を成功させるためには、自己理解や企業研究が必要になります。

以下では、自閉スペクトラム症の方が就職活動を成功させるための方法を紹介していきます!

自閉スペクトラム症(ASD)の方が就職活動を成功させるためには?

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二次障害がある方はその治療をおこなう

自閉スペクトラム症が原因で、二次障害がある場合は信頼できる医療機関で治療を行いましょう。

二次障害とは、自閉スペクトラム症が原因で、精神障害などの病気を引き起こすことを言います。

自閉スペクトラム症の方は、対人コミュニケーションが苦手という特徴があります。

その特徴からいじめを受けたり、上司から叱られたりと生活の中でストレスを感じる場面が多くあります。

そのため、自分に自信を失い、食欲を失うなどの身体症状であったり、不安やうつを感じるといった精神症状を生じることがあります。

まずは信頼できる医療機関で二次障害の有無を確認してから、落ち着いた状態で就職活動に挑みましょう。

自己分析を行う

就職活動において自己分析はとても大事な取り組みだと言われており、一般的な就職活動を行う方も行っています。

自閉スペクトラム症の方にとっても自己分析は重要な取り組みです。

なんで自己分析が重要なの?

自己分析を行う目的は主に2つあります。

1つ目は、自分の特性を理解するためです。

自分の特性を理解することで、自分に向いている職業、向いていない職業が見えてきます。

自閉スペクトラム症の方はコミュニケーションが苦手な方が多く、一般的なコミュニケーションを伴う職業は苦手な方が多いです。

自閉スペクトラムの方は、ストレスをなるべく減らすためにも、自己分析を行うことは大切です。

2つ目は、自分の特性を言語化するためです。

就活では、エントリーシートや面接で、あなたのことについて根掘り葉掘り聞かれます。

その際に、自分のことを知らない企業の人に「自分はこんな人間です」ということを正確に伝える必要があります。

自閉スペクトラム症の方は、相手に自分の考えを伝えることが苦手な方が多い傾向にあります。

面接の本番で緊張しないためにも、あらかじめ自己分析を行い、自分の特性を言語化できるようにしておきましょう。

企業・業界研究を行う

自己分析を通じて、自分の特性を理解できたら、次は企業・業界研究をしていきましょう。

企業・業界研究とはいわば、自分との相性チェックです。

自己分析で得た自分の特性を企業や業界に当てはめて、合う合わないをチェックしていく作業になります。

憧れている企業や業界でもあなたの特性に合わない場合があるでしょう。

一方、自分は全く興味を持っていなかったけど、そちらに自分の適性があることに気が付くこともあります。

自閉スペクトラム症の方の中でも、特性が異なる場合もあります。

他の自閉スペクトラム症の方に向いている業界でも、自分には適性がないこともあります。企業・業界研究はしっかりと行いましょう。

具体的な企業研究の進め方についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください!

一般枠か障害者枠のどちらで応募するかを検討する

自閉スペクトラム症などの障害をもった方が気を付けなければいけないことが、一般枠の求人に応募するか、障害者枠の求人に応募するかということです。

「一般枠、障害者枠ってなに?」と、思う方もいるでしょう。

「一般枠」とは、障害の有無にかかわらず、同じ雇用条件で応募できる求人枠のことを言い、「障害者枠」とは、企業が障害者雇用のために出す求人枠のことを言います。

障害者枠の求人は特別な配慮を受けることができますが、応募には条件があります。

一般枠と障害者枠のどちらで応募するのが良いか、については一概に決めることはできません。

一般の方々と同じ土俵で挑戦してみたいという方は一般枠での応募もいいかもしれません。

しかし、一般の方と同じ環境で働く場合、自分の症状と相談して、長く働き続けることが困難な場合が多いです。

そういったことも考慮したうえで求人を決めましょう。

一般枠・障害者枠については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

信頼できる支援機関や就職支援サービスを利用する

全国には、自閉スペクトラム症の方の就職支援を行っている機関はたくさんあります。

障害のある方が安定して生活するための支援機関や、障害のある方の仕事の支援を行っている事業所など、頼れる支援機関は数多くあります。

支援機関のほとんどが無料で活用することができます。

一人での就職活動に行き詰まりを感じている方は、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

以下で支援サービスについて詳しく解説していきます!

自閉スペクトラム症(ASD)の方におすすめの支援機関・就職支援サービス

自閉スペクトラム症の方におすすめの支援機関・就職支援サービスには以下のようなものがあります。

①発達障害者支援センター

②障害者就業・生活支援センター

③ハローワーク

④就労移行支援事業所

⑤障害者向け就職・転職エージェント

①発達障害者支援センター

発達障害者支援センターでは、発達障害者の生活から仕事に関することまで、幅広いサポートを行っています。

発達障害者支援センターは、発達障害の方だけではなく、発達障害の疑いのある方や、発達障害者をご家族に持つ方の相談も対応してくれます。

発達障害者支援センターの主なサポート内容は以下の通りです。

・相談支援

・発達支援

・就労支援

・相談支援

発達障害が原因と考えられる、コミュニケーションの困りごとや行動の困りごとなど、仕事や生活での困りごとの相談にのってくれます。

相談をした上で、必要に応じて福祉制度やその利用方法を説明してくれたり、専門的な施設や機関の紹介を行ってくれます。

・発達障害

発達障害の方に行っている発達支援に関する相談に応じてくれます。

また、知的発達の度合いの計測等をおこなう発達検査を実施し、その結果に応じて適した支援機関や事業所を紹介してくれます。

・就労支援

仕事をしたいと考えている方に対しては、障害者就業・生活支援センター、ハローワーク等の労働関係機関とも連携して情報提供をしてくれます。

必要に応じて、スタッフがあなたの就職先との交渉や、仕事環境を調節してくれます。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、障害者の仕事と生活の両方を支援してくれる施設になります。

「仕事をしたいけど支援してくれる施設はないかな?」

「自閉スペクトラム症の悩みはどこに相談すればいいの?」

という方は、まずは障害者就業・生活支援センターに相談してみてはいかがでしょうか。

利用は、障害(身体障碍、知的障害、精神障害)や難病を抱えており、仕事をしている方(仕事をしたいと考えている方)が対象になります。

障害者就業・生活支援センターを利用に際して、障害者手帳の取得は必須ではありません。

利用料や相談料は原則無料ですので、お近くの障害者就業・生活支援センターを利用してみてはいかがでしょうか。

ハローワーク

ハローワークとは、公共職業安定所とも呼ばれ、就職や転職を考えている方に対して職業紹介や求職相談を行っています。

ハローワークは障害の有無に関係なく、誰でも利用することができます。

「ハローワークの存在は知っているけど、自閉スペクトラム症の自分のことも支援してくれるの?」

と疑問に思っている方もいるでしょう。

ハローワークでは、障害がある方を対象にした求人情報も取り扱っています。

また、ハローワークには障害者の就職や転職に詳しいスタッフがいるところもあるため、障害のある方に対しての支援体制は整っています。

障害のある方を対象にした求人に応募するためには障害者手帳を取得する必要があるので、その点には注意が必要です。

就労移行支援事業所

就労移行支援とは、一般企業などへの就職・転職を考えている障害者の方が利用できる福祉サービスの一つです。

就労移行支援事業所では、就職活動のサポートから働くための生活のサポートや、ビジネススキル習得のサポートをしてくれるため、本格的に就職を目指す方にはおすすめの支援の一つです。

就労移行支援の主なサポート内容は、以下の5つです。

・生活習慣改善のサポート

・メンタル面のケア

・専門スキルの講習

・実際の就職活動の支援

・職場定着支援

事業所によっては、専門スキルのカリキュラムに注力をしているところもあり、業務で活かせるスキルだけでなく、資格の取得までサポートをしてくれる事業所も少なくありません。

実際の就職活動の支援では、履歴書の添削や模擬面接だけでなく、就職先の候補を一緒に探してもらうことも可能です。

また、就労までの支援と一体となって、就職後の職場定着の支援を行っています

「職場定着の支援ってどんなことしてくれるの?」

具体的な内容としては、定期的な面談や、就職先で困りごとがあったときに、企業と利用者の間に入り、仕事や人間関係の悩みを解決するための支援を行ってくれます。

相談は無料ですので、気になった事業所に一度、問い合わせてみることをおすすめします。

自閉スペクトラム症等の発達障害・精神障害の方におすすめの就労移行支援事業所についてはこちらの記事で詳しくまとめています。ぜひ参考にしてみてください!

障害者向け就職・転職エージェント

就職エージェントとは、転職サイトや就活情報サイトのことを言います。そのなかには障害者向けの就職エージェントも多く存在しています。

就職エージェントでは、主に求人紹介がメインで、サービスによって面接や書類添削などの支援もあるため、実戦的な就職支援サービスになります。

リクルートやマイナビなどの大手企業もサービスを運営しており、サービスの数も質も安心できるものです。

「すぐにでも就職したい!」という方にはおすすめの就職支援サービスです。

こちらの記事で、障害者向けの就職・転職エージェントについて詳しく解説されています。ぜひ、参考にしてみてください!

就職支援サービスを上手に活用してあなたに合った仕事を見つけましょう!

今回は、自閉スペクトラム症の方が就職を成功させるための方法について解説しました。

自閉スペクトラム症の方は対人関係が苦手な方が多く、生活や就職の悩みも一人で抱え込んでしまう方が多いです。

しかし、就職活動を一人で行うのはなかなか難しいため、周りの方の助けを受けることが重要です。

自閉スペクトラム症の方が就職を成功させるために特に大切になるのは、「信頼できる就職支援サービス」を上手に活用することです。

就労移行支援事業所ルーツでは「自信を持って働きたい」を叶えるため、いろいろな面でサポートをしていきます。

自閉スペクトラム症を抱えながらの就職活動で困難を感じている方は、ぜひ一度ルーツまでご相談ください。

↓ルーツの評判・口コミまとめ、詳しくはこちら