就労移行支援事業所ルーツ大阪梅田|「一緒に人生を豊かにしていく」そのパートナーであるために

有限会社イー・プロダクション 就労移行事業責任者
鳥居 義雄 とりいよしお
大阪府出身。有限会社イー・プロダクションにて「就労移行支援事業部 事業部長」を務める。広告製作会社にてキャリアを積んでいたが、産業カウンセラーの資格を取得しキャリアチェンジ。大学生の就職支援やリワーク支援を経験後、有限会社イー・プロダクションに入社。総務・人事部に配属後、新規事業である就労移行支援事業所ルーツの立上げに携わる。

就労移行支援事業所ルーツ大阪梅田事業所 施設長
山尾 芽生 やまおめい
大阪府出身。就労移行支援事業所ルーツ大阪梅田事業所 施設長を務める。高校卒業後、整形外科のクリニックに従事。その後ワーキングホリデーを経て専門学校に通い、精神保健福祉士の資格を取得。精神科クリニックや自治体での就労支援を経験する。そして今回、施設長としてルーツ大阪梅田事業所の立ち上げを行う。

今回は、有限会社イー・プロダクション 就労移行事業責任者の鳥居さん、就労移行支援事業所ルーツ大阪梅田事業所 施設長の山尾さんのお二人にインタビューを行いました。

有限会社イー・プロダクションは、2022年6月に、大阪の梅田の地に新たに就労移行支援事業所を開所します。

2021年6月には、新大阪に就労移行を開所しており、大阪に二拠点目のオープンとなります。

ドローンや撮影、動画編集などの他にはないカリキュラムを提供する就労移行支援事業所ルーツ大阪梅田。そのようなカリキュラムを提供するに至った経緯や、想いを教えていただきました。

就労移行支援事業所とは?

皆さんは、就労移行支援事業というものをご存知でしょうか?

就労移行支援とは、一般企業への就労を目指す、障害や生きづらさを抱える方をサポートする福祉施設です。

18歳〜65歳未満の方が利用することができ、約9割の方が無料で利用をされています。

実際には、以下の障害のある方が通われています。

【精神疾患】うつ病・統合失調症・躁うつ病(双極性障害)・不安障害・適応障害・アルコール依存症など
【発達障害】ADHD・LD・アスペルガー症候群・自閉症スペクトラム・広汎性発達障害など
【身体障害】聴覚障害・視覚障害・肢体不自由・内部障害など

【その他】知的障害・難病など

有限会社イー・プロダクションが就労移行支援に携わるまで

ー今回は、2022年6月に就労移行支援事業所ルーツ大阪梅田事業所を開所する有限会社イー・プロダクションの鳥居さん、山尾さんにお話をお伺いしました。

ご経歴

ー鳥居さん、山尾さん、本日はよろしくお願いいたします!
2022年6月にオープンするルーツ大阪梅田事業所ですが、まず最初に山尾さんのご経歴と施設長になった流れを教えてください!

山尾:はい。就労移行支援事業所ルーツ大阪梅田事業所の施設長の山尾と申します。本日はよろしくお願いいたします。

私は、大阪府出身で、高校卒業後は医療事務員として整形外科のクリニックに就職をしました。

整形外科なので、やはり体の痛みを訴える患者様が多くいらっしゃいます。ですが、レントゲンを撮っても何も異常がない、そのような方は結構いらっしゃるんです。

そのような方は、ストレスなどから体に不調をきたしていることが多いんですね。

そういったところを見た時に、働かれている方のメンタルヘルスみたいなところに興味を持った、というところが原点です。

ーメンタルヘルスが、体の不調に繋がることがあるのですね。

山尾:患者様の中にはお年寄りも多いのですが、若い世代でバリバリ働いている世代なのに体に不調があるという方もすごく多くて。

仕事というものも大切ですが、自身の健康であったりとか、心の状態も大切であると患者様を見て感じ、そういったところの支援ができるお仕事がしたいと思いました。

そこで色々と調べていくうちに、精神保健福祉士という資格があることを知り、専門学校に入学をして資格を取得しました。

卒業後は、精神科のクリニックであったり、自治体で生活保護の方や、生活に困っている困窮者の方の就職に関する支援をしていました。

ールーツはIT特化の就労移行支援ですよね。自治体での就労カリキュラムとはまた少し異なった点もあるのかなと思うのですが、なぜルーツ大阪梅田事業所で働こうと思われたのでしょうか?

山尾:入社をした理由は二つあり、一つ目の理由は、今までの経験でリーダーのポジションをしてきたこともあり、マネジメントや事業の経営というところに関心を持ったからです。

そこで、大阪梅田事業所が新規拠点の立ち上げというところで、様々な経験ができるかなと思いました。

新規拠点の立ち上げとなると、やはりゼロからのスタートになります。そこで採用やマネジメント、経営という点も大きく携わることができます。

やはり経営という面で、売上を立ててお金が動いていかないと、会社の社長であったり、大きく言えば国は動かない。利益を出すことが、最終的に利用されている方の利益にもなると考えています。

売上を立て、サービスを向上させるという点で何かできないかと考え、入社を決めました。

ー支援か利益か、ではなく、支援も利益もという考え方は大切ですよね。二つ目の理由もお聞きしたいです!

山尾:二つ目の理由としては、生活困窮者や生活保護の方を支援していく中で、社会のシステムの限界を感じることがありました。

働けるのに働く場所がなかったり、その能力を十分に発揮できるような居場所がなかったりするんですね。

実際に話を聞いたりしていく中で、メンタル不調等を改善していくことももちろん大切ですが、その仕組み自体を変えていく、作っていくことの重要性を感じました。

今後、もっとIT化・仕組み化がされていく時代です。その中で、福祉というところと、IT技術を組み合わせることで、現在の社会のシステムではできなかったことができるようになる。

考えていたことがルーツで実現できるのではと思ったのが、入社を決めた理由の二つ目になります。

広告の企業がなぜ就労移行支援を?

ーそもそも、有限会社イー・プロダクションは広告の会社ですよね?なぜ、就労移行の事業を展開することになったのでしょうか?

鳥居:そうですね。イー・プロダクションが就労移行支援の事業を始めたのは2021年からで、最初は新大阪に就労移行支援事業所ルーツ新大阪をオープンしました。

元々は紙媒体のパンフレットやチラシ、グラフィックデザインなどをしているような会社だったんですね。

そこで、何か新しいことに取り組もうというタイミングになった時に、弊社の従業員が以前、就労移行支援事業所に務めていたことを知ったんです。

また、それとは別に、就労移行支援を利用している方が弊社に実習に来るタイミングが重なって。最初は少し不安だったのですが、本当に優秀な方達が実習に来てくれました。

そこで、「こんな事業があるのか」と感じ、就労移行に興味が湧きました。

ー実際に、就労移行支援を利用されている方と関わってみて、障害のある方への印象が変わったのですね。

鳥居:そうですね。

日本では、どんどん労働者人口が少なくなってきています。そのような時に、就労移行のような事業を始めるのは社会情勢的にもマッチをしていると考えています。

そのような考えから、2021年6月に就労移行支援事業所ルーツ新大阪をオープンさせました。

↓就労移行支援事業所ルーツ新大阪事業所のインタビューはこちら↓

ルーツ大阪梅田事業所ができた経緯

ー2021年にルーツ新大阪事業所がオープンし、1年を経てルーツ大阪梅田事業所をオープンされると思うのですが、大阪梅田事業所ができた経緯を教えてください!

鳥居:経緯としては、嬉しいことに新大阪事業所では順調に利用者さんも増えており、新しく拠点を出してよりサービスを広く展開していきたいと考えたからです。

今後は、3店舗目、4店舗目を出していきたいと考えています。

ー梅田の場所を選んだのは、何かこだわりがあるのでしょうか?

鳥居:今回は、大阪駅前第二ビルというところにオープンをします。

大阪は大きく分けて北と南に分かれます。南の中心都市は、いわゆる難波や心斎橋と呼ばれるところ。北は梅田が拠点になります。その分、ニーズがすごくあります。

ニーズがあるということは、その反面、他の就労移行支援も数多く開所をしています。大阪駅前第二ビルの中にも既に10箇所ぐらいあって、ラーメン激戦区みたいになっていますね。笑

そこで開所をし、成功するというのは一つのポイントになると考えているので、梅田に開所をしました。

「入口は、好きなことからで良い」ルーツ大阪梅田事業所のコンセプト

「じぶんの可能性に気づく場所」を提供する

ー6月に新たにオープンするルーツ大阪梅田事業所ですが、新大阪事業所とコンセプトは異なるのでしょうか?

鳥居:大きくコンセプトを変えるつもりはありません。

ルーツ大阪梅田事業所のコンセプトは、「じぶんの可能性に気づく場所を提供する」です。

就労移行に通われる利用者さんの中には、「もう自分はダメなんじゃないか」と自分に自信を失くしてしまっている方も多いのではないかと思います。できないところばかりに目が向いてしまったり。

だけど、できないこと以上にできることもたくさんあるはずです。

ー確かに、自分に自信がなくなると、できないことが目についてしまいますよね。

鳥居:そうですよね。ですから、ルーツ大阪梅田事業所を”じぶんの可能性に気づく場所”にしたいんです。

自分の可能性に気づけていない方々に、気づきを持ってもらえるようなカリキュラムを提供したり、スタッフもサポートをしていきたいと考えています。

ドローン・撮影・動画編集・プログラミング…始まりは興味のあるところからで良い

ールーツ大阪梅田事業所では、どのようなカリキュラムを提供する予定なのでしょうか?

山尾:プログラミングやWebデザインの他に、ドローンやカメラ撮影、動画編集などのカリキュラムも提供しようと考えています。

ドローンやカメラ撮影などのカリキュラムは、希望の方は申し込む形式で実施をしているのですが、新大阪事業所では毎回満員になっていて、利用者さんからも好評のカリキュラムとなっています。

ードローンやカメラ撮影のカリキュラムは他ではあまり聞かないですよね!なぜそのようなカリキュラムを提供しているのでしょうか?

鳥居:新大阪の事業所で最初に実施をしたのですが、最初は他の就労移行がやっていないことをやろうという考えのもとカリキュラムを実施したのがきっかけです。

正直、ドローンがすぐに就職に繋がるというわけではないと思うんですね。ですが、少し目を引くものであったり、どんどん新しいことをしていく、そのアイコンの一つになればなと思っています。

山尾:実際に見学の時に、動画編集やカメラ撮影、ドローンに興味を持ってくださる方が多いです。

最近はやはり皆さん、Youtubeとかを見られているので、自分もやってみたいなという純粋な興味で見学に来てくださる方はたくさんいますね。

ー自分の好きなことや興味があって、見学に行ってみたら職業訓練もできるような場所だった、という形で、就労のきっかけになることもありそうですね!

鳥居:そうですね。就労移行支援というと、就労支援やコミュニケーション、生活改善を売りにしているところが多いと思います。

ルーツ大阪梅田事業所で提供しているドローンやカメラ撮影のカリキュラムは、すぐに就職に繋がるものではないかもしれません。

ですが、それに興味を持ってルーツに来てくれる。入り口はそこでいいのではないかなと思っています。

いろいろな世界や困難を知って、それを糧にして様々なことに挑戦していただきたいですね。

多種多様なカリキュラムと、就労サポート

ルーツ大阪梅田事業所が提供する学習カリキュラム

ールーツ大阪梅田事業所では、どのような学習サポートを受けることができるのでしょうか?

鳥居:カリキュラムとしては、プログラミングやWebデザインなどのITスキル、ExcelやWordなどのパソコンスキル、また、動画編集やカメラ、ドローンなどのカリキュラムを準備しています。

ドローンのカリキュラムなどが人気ですが、受ける方のほとんどは、ドローンに触ったことがなかったり、そこまで知識のない状態で始めています。

そのため、今は室内でドローンを飛ばしたりして、講座を行なっていますね。

ードローンや、カメラ撮影などのカリキュラムは、ルーツ大阪梅田の職員の方が講座をされているのでしょうか?

山尾:カメラやドローン、動画編集の講座は、外部講師の方をお呼びしています。

他にも、ボディメンテナンスのためにパーソナルトレーナーの方をお呼びして、講座を実施していますね。

ーボディメンテナンス、ですか?

山尾:そうです。生活改善というか、身体的、体力作り的な部分もやっていきます。就労移行を利用される方の中には、就労移行に毎日通所をすることが難しい方もいらっしゃいます。

就労をするためには、毎日通い続けることが大切になってくるので、パーソナルトレーナーをお呼びして生活リズムの改善などをサポートしています。

ー実際にプロの方に教えてもらいながら、スキルの習得や生活改善ができるのは、とても貴重な機会ですね!

ルーツ大阪梅田事業所の就労サポート

ー就職活動の支援は、どのようなことをされるのでしょうか?

山尾:学習後の就職活動の段階では、職種・仕事選びから就職活動まで、包括的にサポートをします。

具体的には、履歴書や職務経歴書の添削、ハローワークの同行や面接練習などをしていきます。

ブランクがあったり、始めての就職活動でも、一つ一つサポートをしながら進めていくので、そこは安心して欲しいですね。

「一緒に人生を豊かにしていく」そのパートナーであるために

一人ひとりの選択の幅を広げるため、社会に発信していくこと

ー梅田事業所が、商業地の中心でオープンをすると思うのですが、梅田事業所から社会に向けて何か発信していきたいことはありますか?

山尾:やはり、障害があっても、優秀な人材がいるんだよっていうことは伝えていきたいですね。

ご利用者さんも、真面目な方が多いですし、すごく努力をされている姿も近くで見てきています。社会的にも、障害者雇用の歴史は浅いですし、そういうところで多少「雇うことが心配」と感じる会社もあると思います。

それがすごくもったいない気がしていて、優秀なスキルを持った方であったり、真面目でコツコツと働くことができる方がいる。いろいろな人材がいるということを、事業所を通してアピールをしていきたいです。

利用を検討している方へのメッセージ

ー最後に、利用を検討されている方へのメッセージをお願いします!

山尾:就職先がないのではないか、とか、年齢的に厳しいのでは、自分にできることなんてないのでは、と様々な不安をもたれている方も多いと思います。

ですが、1人で抱え込まないで欲しいなと思っています。

事業所であったり、スタッフに相談をして欲しいですし、一緒に人生を豊かにしていきたいと思っていますので、ぜひ一歩踏み出して欲しいなと思います。

ーありがとうございます!就労移行支援事業所ルーツ大阪梅田事業所は、2022年6月1日にオープンします。

JR東西線「北新地駅」直結とアクセス良好の事業所となっています。興味のある方は、ぜひ一度見学に行ってみてください!

お問い合わせはこちらから

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【編集後記】

ドローンや撮影などのオリジナリティのあるカリキュラムを提供しているルーツ梅田ですが、そこには「始まりは興味のあるところからで良い」という考えがあり、印象に残りました。興味のあるところから始めることで、就労移行に通うハードルが下がり、就労のきっかけを掴める方も増えるのではないかとお話を聞いて感じました。
ルーツ大阪梅田事業所は、2022年6月1日にオープンしました。ぜひ、お気軽に見学に行ってみてください!

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