アスペルガー症候群の人におすすめの仕事は?就労支援サービスも紹介!

アスペルガー症候群はコミュニケーションや対人関係において困難が生じたり、考え方や作業内容に偏りが生じたりするのが特徴の発達障害です。

アスペルガー症候群の人は、障害の特性上、自分に合った仕事に就かないと上手くいかずに辞めてしまうことも多いです。

この記事では、アスペルガー症候群の人におすすめの仕事を紹介していきます。就職や転職をスムーズに行うためのポイントについても解説します!

【Puente編集部】
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アスペルガー症候群とは

「アスペルガー症候群」とは発達障害の一つです。

コミュニケーションや対人関係、こだわりや自我の強さ、感覚の過敏性などに特徴のある「自閉症スペクトラム」のうち、知能や言語機能に遅れが無いもののことを言います。

アスペルガー症候群の特徴

①社会性・コミュニケーションの障害

アスペルガー症候群の特徴としてまず挙げられるのが、社会性やコミュニケーション能力の障害です。

知能や言語機能に遅れが無いことから、一見問題なくコミュニケーションが取れているように思えます。しかしアスペルガー症候群のある方は、話し相手の感情を汲み取ったり、空気を読んだ言動をしたりすることが苦手なため、自己中心的な印象や、話が通じにくいといった印象を持たれてしまうことが多いです。

アイコンタクトや身動きが不自然で、会話が一方的になりがちなので、人間関係のトラブルになりやすく、周囲から配慮が必要な場面もあります。

②興味や関心の偏り

興味や関心の向く分野が限定的になるのもアスペルガー症候群の特徴の一つです。自分の興味のある分野には高い集中力を持って取り組める一方で、興味のない分野には全く関心を示しません。

興味のあることには強いこだわりを持って取り組むため、細部にこだわりすぎてしまったり、上手くいかないとイライラしてしまったりすることがあります。

この特徴はメリットとして捉えることもでき、興味のある分野では高い成果を出すことができる人も多いです。

③日常生活のパターン化

アスペルガー症候群の3つの目の特徴として、反復性の行動や自分の作ったルールへの固執による、日常生活のパターン化が挙げられます。

アスペルガー症候群の方は習慣や自分の作ったルールには強いこだわりがあるため、それが乱れることを嫌う傾向にあります。

そのため、人にそれを指摘されたり修正されたりすると、イライラして人間関係の問題に発展するケースが多いです。

また、いつもとは違うパターンや非常事態が発生するとパニックになってしまうことがあります

アスペルガー症候群の人が仕事で苦労するポイント

アスペルガー症候群の特徴を踏まえて、アスペルガー症候群の人が仕事の中で苦労するであろうポイントについて解説します。

・職場でのコミュニケーション

・職場のルールや人間関係に従う

・報告・連絡・相談

・イレギュラーへの臨機応変な対応

職場でのコミュニケーション

アスペルガー症候群の人は、言葉の裏にある真意を汲み取って話すことが苦手な傾向にあります。ビジネスの世界ではお世辞や社交辞令を言う場面がたくさんあるので、そのような場面でのコミュニケーションには苦労するでしょう。

相手の冗談やお世辞をそのまま受け取ってしまうと、人間関係のトラブルの原因になることがあります。

職場でのルールや人間関係に従う

職場には、暗黙の了解や上下関係、そして独自のルールがあります。暗黙の了解や人間関係は文章にして伝えてもらえず、場の空気を読みながら、人との会話を通して自分で把握しなければなりません。

これを気にしないまま仕事をしていると、人間関係がこじれたり周囲から避けられたりするようになってしまい、職場に上手く馴染めなくなります。

また、アスペルガー症候群の人は自分のルールにこだわりを持っていることが多く、職場で決められているルールを無視してしまうことがあります。これは人間関係のトラブルにつながるだけでなく、仕事を辞めさせられてしまう原因にもなります。

報告・連絡・相談

報告・連絡・相談は、よく「報連相」と言ってまとめられ、社会人が仕事をする上で大切にしなければならない教訓になっています。これはビジネスの基本で、組織全体のためにも守らなければなりません。しかしこれは誰かに指示されて行うのではなく、自分が必要だと思ったタイミングで主体的に行わなければなりません。

また、仕事について相談して上司や先輩にアドバイスを貰っても、それが受け入れられずに自分のこだわりを優先してしまうというケースもあります。

イレギュラーへの臨機応変な対応

仕事に、イレギュラーや急な予定の変更は付き物です。アスペルガー症候群の人は、パターン化されていない行動や不測の事態への対処に困ることが多く、仕事でもこのような状況ではパニックに陥ってしまう可能性があります。

非常事態で冷静に対応できないと仕事が出来ない人だとみなされて、仕事が回って来なくなったり、場合によっては解雇の原因になったりするでしょう。

これらの特徴から、アスペルガー症候群の人は就職が難しいと思われがちですが、ポイントを押さえれば問題なく就職することができます。こちらの記事ではアスペルガー症候群の人の就活について解説しているので、合わせてお読みください!

アスペルガー症候群の人におすすめの仕事・おすすめしない仕事

アスペルガー症候群の人に向いてる仕事

アスペルガー症候群の症状の特徴を活かせる仕事は、以下のような仕事になります。

・人とのコミュニケーションを取る機会が少ない仕事

・全ての業務または業務の大部分を一人で行う仕事

・他者の干渉を受けることが少なく、自分が主体的に進められる仕事

・作業内容がパターン化されており、それを繰り返し行う仕事

・高い記憶力や長時間の集中力を要する仕事

アスペルガー症候群のある方の退職理由として最も多いのが、職場での人間関係の問題であると言われています。基本的に自分が中心となって一人で進められる業務なら、他者とのコミュニケーションの機会も減ってトラブルを避けながら仕事が進められるでしょう。

また、特定の分野で高い集中力を発揮して作業に打ち込めるという特徴は、仕事によっては大きなメリットとなります。

これらの特徴を考慮すると、以下のような職業はアスペルガー症候群の人に向いていると言えるでしょう。

①プログラマー

アスペルガー症候群の人におすすめする職業として、まずプログラマーが挙げられます。

シリコンバレー症候群」という言葉をご存知ですか?シリコンバレーという言葉は、カリフォルニア州北部(アメリカ)に位置するサンフランシスコのベイエリア地域南部のことを指しています。ここには、世界トップクラスのIT企業が集まっており、たくさんのIT人材がいます。

実は、シリコンバレーで働くプログラマーのうち1割以上、グレーゾーン(アスペルガー症候群であると明確に診断されていない人)の人も含めると約半数に発達障害の傾向があると言われています。このことから、IT人材の持つアスペルガー症候群のことを、特別にシリコンバレー症候群と呼ぶことがあるのです。

IT企業のプログラマーには癖が強く、コミュニケーションが取りづらい人が多いとも言われています。その反面、優秀でなければシリコンバレーの企業に勤めることは不可能です。

基本的に一人で作業を進めることができ、業界に同じ発達障害を持つ人が多いという特徴からも、プログラマーはアスペルガー症候群の人に特におすすめの職業であると言えます。

②Webライター・Webデザイナー

WebライターやWebデザイナーもアスペルガー症候群の人におすすめの仕事です。

こうした職業も、基本的に一人でデスクワークで進めることになるので、人とのコミュニケーションの機会が少なくて済みます。高い集中力を要する仕事なので、自分の興味のある分野では高い集中力を発揮できるというアスペルガー症候群の特徴にもハマっています。

プログラマー同様、IT人材の需要が高まっている現代においては、これらの職業はとても人気です。

③研究者・学者

歴史上の人物には、アスペルガー症候群であったと言われている人が多くいます。例えば、物理学者のアイザック・ニュートンや言語学者のルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインなどが挙げられます。

自分の興味のある分野には、高い集中力とこだわりを持って打ち込めるというのがアスペルガー症候群の人の特徴の一つですが、研究者や学者などはその特性を活かしやすい職業であると言えます。他人とのコミュニケーションを取る機会も少なく、自分のやり方で仕事を進められることから、人間関係のトラブルは避けることができるでしょう。

豊富な学識や、柔軟な思考能力を必要とする職業なので、急に研究者や学者になろうと思っても難しいでしょう。特にこの記事を読んでいる大学生の方で、自分の専攻している分野に興味があれば一つの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

上記の3つの職業は、アスペルガー症候群の特性を逆にメリットとして活かし、活躍に繋げやすい職業です。

この他にも、会社の経理や財務管理のように数字と向き合う仕事や、運転手のように一人で目的を達成するタイプの仕事もおすすめです。

また、近年はインターネットを活用した仕事が増えており、1人でも在宅で稼げる時代になっています。自分の好きな分野で、好きなペースで仕事ができるYouTuberやライバーなどは近年人気の職業の一つです。

就労移行支援事業所についての詳しい説明は後ほど致します!

しかし、アスペルガー症候群の特徴を仕事で活かすためには、その人の興味のある分野でなければなりません。自分の興味のある分野で、上記のような特徴がある仕事がないか調べてみると良いでしょう。

アスペルガー症候群の人に向いていない仕事

アスペルガー症候群の人には、以下のような仕事は向いていないと言えます。ですがこれらの職種で活躍されているアスペルガー症候群の方もいらっしゃるので、あくまでも例としてご参照ください。

・高いコミュニケーション能力を求められる仕事

・多くの人と接する機会がある仕事

・いくつもの業務を同時に行う仕事

この仕事特性を踏まえて、アスペルガー症候群の人には以下のような仕事はおすすめできません。

①接客業

アスペルガー症候群の人はコミュニケーションを不得意とする傾向があるため、相手とのコミュニケーションが中心の接客業には向いていないと言えます。

職場によっては、客対応のマニュアルが用意されている場合が多いですが、ほとんどの場合、それに従っているだけでは上手く対応できません。接する相手が気難しい人であったり、クレームをつけきたりすることも多く、こうした状況でも常に丁寧な言動を心がける必要があります。

非常事態が発生した時にパニックに陥りやすい傾向があり、柔軟なコミュニケーションを不得意とするアスペルガー症候群の人には、接客業をするのは少々難しいかもしれません。

②営業

柔軟なコミュニケーション能力を要する営業職も、アスペルガー症候群の人には向いていない仕事です。

営業職では、商材を気に入ってもらえるように、相手の機嫌をとったり、社交辞令やお世辞を言ったりする機会が多くあります。空気を読みながら、言葉を選んで会話をしなければならず、相手の言葉の裏にある本当の意図が汲み取れないと、コミュニケーションが破綻してしまう恐れがあります。

接客業とは違って応対用のマニュアルも無いことが多く、かなり難易度が高い仕事であると言えます。

③飲食業

飲食業は、接客業の中でも特にアスペルガー症候群の人に向いていない仕事です。

お客さんとのコミュニケーションも大変ですが、複数の注文を同時に扱い、それをミス無くこなさなければなりません。忙しい時間帯には作業を素早く行わなければならず、パニックに陥ってしまう恐れがあります。

また、清潔感が重要な仕事でもあるので、身だしなみにも毎日気を使うことになります。

上記の3つの仕事以外にも、例えばスーパーのレジ係のように短時間で手際良く動く仕事や、複数の生徒を同時に見る教師などはアスペルガー症候群の人にはおすすめしません。

しかし、アスペルガー症候群の症状の現れ方は人によって違う上に、これらの職能は訓練次第では身につけることも可能です。

アスペルガー症候群の人が仕事の選択肢を増やすためには、「就労移行支援」を利用して仕事に必要なスキルを身につけるのがおすすめです!次は、就労移行支援の詳しい説明をしていきます。

アスペルガー症候群の方が受けられる、おすすめの支援

就労移行支援とは

障害者就労の福祉サービスとして、「就労移行支援」というものがあります。就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく就労支援サービスの一つです。

就労移行支援事業所では、自分の希望するプランに沿って、就職するために必要な各種技能を身につけるためのサービスが受けられます。実際の職場環境に近い雰囲気のオフィスで訓練が行えたり、自分の障害や特性に合った個別のプログラムを受けられたりとメリットがたくさんあります。

各事業所には、様々な利用者さんを見てきたスタッフの方がいるので、おすすめの仕事や今後のキャリアについての適切なアドバイスが受けられます。

就労移行支援の事業内容

就労を希望する65歳未満の障害者で、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる者に対して、

①生産活動、職場体験等の活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練

②求職活動に関する支援

③その適性に応じた職場の開拓

④就職後における職場への定着のために必要な相談等の支援を行う
(利用期間:2年)
※ 市町村審査会の個別審査を経て、必要性が認められた場合に限り、最大1年間の更新可能

利用対象者

利用対象者は以下の通りです

・身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病のある方
・65歳未満の方
・一般企業へ就職したいと考えている方

就労移行支援は障害者手帳の有無に関わらず、就職に困難が認められる方も、医師や自治体の判断などにより利用することができます。

利用料金

前年度の世帯所得によって変化しますが、多くの方が無料で利用しています。ですので、負担が少なく無理なく通い続けることが可能です。

アスペルガー症候群の人におすすめの就労移行支援事業所は?

就労移行支援事業所は様々な会社が運営しており、会社によって特徴は様々です。カリキュラムも大きく異なり、自分にはどんな仕事があっているのか、訓練を通して考えることもできます。

アスペルガー症候群の人におすすめの就労移行支援事業所を紹介していきます。

ココルポート

 ココルポートでは、個別支援計画に基づいて徹底した個別支援を行います。

例えば、事務職を目指す方の場合は、ExcelやWord、PowerPointのスキルを身につけたり、IT系の就労を目指されたい方は、プログラミングなどの学習も可能です。

将来のなりたい姿や、希望の働き方、不安に感じていることなどは人それぞれです。ココルポートでは、その人の苦手なことや希望に合わせて徹底した個別カリキュラムを作成をします。

また、500種類以上のプログラムやeラーニングの講座から、その人にぴったりの訓練内容を考え、確実にスキルを身につけていけるようにサポートをしていきます。

特徴的なプログラムとしては、ビジネスマナーの来客対応やお茶出し、電話対応などが挙げられます。アスペルガー症候群の人が苦手とする接客対応なども学べるのは大きなメリットです。

運動や余暇活動として、農作業やダンスなどもすることができ、充実した訓練が受けられます。個々に合わせて細かくプログラムを選べるのもメリットです。


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atGPジョブトレ 発達障害コース(旧リンクビー)

「atGPジョブトレ発達障害コース」は、株式会社ゼネラルパートナーズが運営する就労移行支援事業所です。atGPジョブトレには様々な障害に特化したコースが用意されており、このコースではADHDやアスペルガー症候群などの発達障害を持つ方専用のプログラムが受けられます。

発達障害専門のプログラムなので、より専門的で自分にあったプログラムを受けることができます。例えば、アスペルガー症候群の人が苦手とするタスクマネジメント能力を鍛えるプログラムや、ビジネスにおけるコミュニケーションの練習ができます。

実際に職場に出てすぐに実践できるように、「わかる」で終わらせないで「できる」ようになるまで徹底的にサポートをしてくれるので安心です。

また、同じ障害を持つ人ばかりが集まっているので、仲間ができやすい環境が整っていることもメリットの一つと言えます。

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就労移行支援事業所ルーツ

「就労移行支援事業所ルーツ」は、LOGZGROUP株式会社が運営する就労移行支援事業所です。デザインやプログラミングなどのWebスキルに特化した勉強ができるところが強みです。

前職がデザイナーやエンジニアではなかったとしても、Webスキルを全てイチから学ぶことができるので、これらの職種を目指している人におすすめです。

高いWebスキルを持つ人材は近年需要が高まっている上に、デザイナーやエンジニアといった職種はアスペルガー症候群の人にも適している可能性が高いので、ルーツでみっちりとWebスキルを身につけられれば就職後も活躍できるでしょう。

自分のペースで、少ない日数から出所することも可能なのでマイペースでカリキュラムが進められるところも魅力的です。

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アスペルガー症候群でも安定した就職を!

アスペルガー症候群の人におすすめの仕事や、おすすめの就労サービスについて紹介してきました。

アスペルガー症候群を持っていても、その特性を理解し、適切な対策をすれば誰でも安心して就職できます。しかしこれは、一人では把握するのが難しいです。

一人で就職の準備を進めようとしないで、ぜひ一度就労支援サービスを活用し、自信を持って就職できる準備をしましょう。