潰瘍性大腸炎の患者数は、年々増加傾向にあり国内に約20万人いるとされており、1000人に1人の割合でこの病気を抱えている人がいます。
この記事では、潰瘍性大腸炎の特性から、就職の際に気をつけるべきポイントと働き方についてご紹介します。
最後に潰瘍性大腸炎をお持ちの方が利用できる就労支援サービスをいくつかご紹介しますので、サービスの利用も合わせてご検討してみてはいかがでしょうか!
【藤村隼也】
将来は友人との起業を目標に日々、自分磨き中。
学生時代のビジネス経験から有益な情報を多くの人に届けたい。そのような思いで記事を執筆します。
目次
潰瘍性大腸炎とは?
潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患です。
原因はまだはっきりとは分かっておらず、国の指定難病にもなっています。
特徴的な症状は、下血を伴うまたは伴わない下痢と腹痛や発熱です。
病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がります。
(参考|難病情報センター)
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(参照|厚生労働省:衛生行政報告書例の概況)
日本の潰瘍性大腸炎の患者数は、年々増加しており、約17万人の患者がいます。
発症のピークは男性で20~24歳、女性で25~29歳とされていますが、若者から高齢者まで発症する病気です。
重症の患者は少なく、全体の約9割が軽症~中症の患者で占められています。
働く前の職場の確認ポイント
潰瘍性大腸炎の特徴としては、症状が悪化する「活動期」と症状が落ち着いている「寛解期」を繰り返すことです。
継続的な治療や日常生活でのケアを行えば、寛解の時期を保つことができ安定した仕事ができるようになります。
そのためにも定期的な通院ができるか、過度なストレスが掛かりすぎない職場かどうかなど、事前に働く際のポイント(環境、周りの理解、配慮事項など)を整理し、自分にあった企業を見つけていくことが大切です。
通勤に時間がかかりすぎないか
活動期にはトイレの回数が多くなったり、腹痛が頻繁に起きるようになります。
通勤のに時間がかかりすぎるとそれだけ本人の負担になったり、遅刻に繋がります。
就職前に「自宅から職場までの通勤時間は最大で○分まで」と決めておく、通勤の途中にあるトイレの場所など確認しておきましょう。
勤務中トイレに行きやすいかどうか
勤務中に離席しやすいか、会議中でもトイレにいくことを理解してもらえるかなど事前に確認しておきましょう。
オストメイト対応のトイレがあるかどうか
人工肛門(ストーマ)の方は職場にオストメイト対応のトイレがあるかも事前に確認しておきましょう。
上司・同僚が病気のことを理解してくれるか
安定した就労を目指すには職場の上司や同僚の方に病気の理解を得やすいかどうかも重要です。
気軽に相談をしやすい職場かどうか、上司と定期的に面談ができるかどうか確認しておきましょう。
飲食物の制限に理解が得られるか
寛解期であれば、飲食物の制限は特にありませんが、活動時期であれば食事制限が必要なケースもあります。
活動時期にはアルコールや脂肪の多い食べ物は控えた方がよいとされています。
職場の飲み会で飲食の制限を理解してもらえるか確認しましょう。
定期的な通院に関して休みは取りやすいか
潰瘍性大腸炎は継続的な治療が必要になります。
定期的な通院でお休みが取れるか確認しましょう。
突発的な症状悪化があっても気兼ねなく受診できるか
いくら継続的な治療をしていても急激に体調が悪くなってしまうケースもあります。
突発的に受診が必要になった際にもお休みが取れるかどうか確認しましょう。
潰瘍性大腸炎のある方の働き方
潰瘍性大腸炎のある方の多くは一般企業への就職をされる方が多く、働き方は大きく分けて2つあります。
潰瘍性大腸炎のことを企業に開示して就職をする「オープン就労」と開示せずに就職をする「クローズ就労」です。
障害者雇用(オープン就労)とは?
障害者雇用とは、自分が発達障害であることを明らかにして(オープンにして)就職活動を行うことを言います。
障害者雇用の場合、企業の障害者向けの求人に応募します。
この求人に応募するためには障害者手帳を持っていることが条件なので、注意が必要です。
障害者雇用(オープン就労)では、障害者に対しての配慮があるというメリットがありますが、求人数が少なく競争が激しいというデメリットがあります。
一般雇用(クローズ就労)とは?
一般就労とは、自分が発達障害であることを隠して(クローズにして)一般の方と同様の就職活動を行うことを言います。
一般雇用(クローズ就労)では求人数が多いというメリットがありますが、障害に対する配慮はありません。
※潰瘍性大腸炎の方で人工肛門(ストーマ)の造設をされた方は身体障害者手帳の取得が可能になり、企業の障害者枠での就職も可能になります。また、他の障害をお持ちの方も障害者枠で就職をすることができます。障害者枠は一般枠と比べると病気の理解をしてもらいやすい・配慮を受けやすいなどのメリットがあります。
それぞれのメリット・デメリットをよく理解した上で、障害者雇用で応募するか一般雇用で応募するかを決めましょう。
障害者雇用・一般雇用について、こちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
↓【障害者の就職】オープン就労とクローズ就労のメリットを解説!、詳しくはこちら
潰瘍性大腸炎のある方が利用できる就労支援サービス
ここからは、潰瘍性大腸炎の方が利用できる就労支援サービスを紹介します。
療育生活や日常生活での相談、就労面などの相談やサポートをして欲しい時に活用してみてください。
難病相談支援センター
難病相談支援センターは、難病の患者の療養生活の質の維持向上を支援することを目的とする施設です。
難病の患者の療養生活に関する各般の問題について、難病の患者及び、家族やその他の関係者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言等を行います。
難病相談支援センターは、都道府県及び指定都市に設置されています。
(参考|難病情報センター)
ハローワーク難病患者就職サポーター
ハローワークには「難病患者就職サポーター」という、難病相談支援センターと連携しながら、就職を希望する難病の方に対して、症状の特性を踏まえた上で 就労支援や、在職中に難病を発症した方の雇用継続などの総合的な支援を行う方がいます。
全てのハローワークに配置されているわけではないので、難病患者就職サポーターが配置されているハローワークを確認しましょう。
(参考|厚生労働省:難病患者の就労支援)
就労支援事業所
医療機関は治療を専門としていますが、就労移行支援事業所であれば潰瘍性大腸炎のある方の仕事の進め方や、就職活動の方法をアドバイスしてくれます。
就労移行支援の主な支援内容は、以下の5つです。
①生活習慣改善のサポート
②メンタル面のケア
③専門スキルの講習
④実際の就職活動の支援
⑤職場定着支援
事業所によっては、専門スキルのカリキュラムに注力をしているところもあり、業務で活かせるスキルだけでなく、資格の取得までサポートをしてくれる事業所も少なくありません。
実際の就職活動の支援では、履歴書の添削や模擬面接だけでなく、就職先の候補を一緒に探してもらうことも可能です。
また、就労移行支援と一体となって、就職後の職場定着の支援を行っています。
職場定着の具体的な支援内容としては、定期的な面談の他に、就職先で困りごとがあったときに、企業と利用者の間に入り、仕事や人間関係の悩みを解決するためのサポートが受けられます。
相談は無料ですので、気になった事業所に一度、問い合わせてみることをオススメします。
自分にあった仕事を見つけよう
以上のように潰瘍性大腸炎は症状が悪化する「活動期」と症状が落ち着いている「寛解期」を繰り返す病気です。
継続的な治療や日常生活でのケアを行えば就労も可能で、スポーツ選手、俳優、医師など潰瘍性大腸炎とうまく付き合いながら社会で働く方も多くいらっしゃいます。
自己理解ももちろん大切ですが、周りの方の理解も安定した就労を目指す上で必要になります。
自身の病気についての理解を深めたい、企業にどう伝えたらよいか分からない、就職後安定して働けるか不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
支援機関のサポートも活用することで、周囲の人の理解と配慮のある生活環境を作っていきましょう。
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