書類選考が通り、いよいよ面接。面接官はどのようなポイントを見ているのでしょうか?
この記事では、障害のある方の「働きたい」という想いをサポートする就労移行支援事業所ルーツの支援員が、面接の基本的なマナーからよく聞かれる質問と面接官が見ているポイントをご紹介いたします。
「働きたい」と思った企業で働くことが叶うよう、面接の対策を進めていきましょう。
【佐藤奈摘】
就労移行ITスクール川崎の支援員として働いています。支援員の立場だからこそわかることを客観的に紹介していきます。
目次
面接のマナー
時間管理
面接会場には10分前に到着するようにしましょう。面接会場に遅刻してしまうと「就労後も大事な場面で遅刻する可能性があるのではないか」と良くない印象を与えてしまいます。一方、早すぎても急かしているようで良くありません。
10分から5分前に受付し、「こんにちは。本日〇時からの面接で参りました、〇〇と申します。(採用担当の〇〇様にお取次ぎいただけますでしょうか)」と伝えましょう。すれ違う社員に挨拶をし、面接官を待ちます。
言葉遣い
面接では普段通りの自分をアピールしたいと思いますが、友達感覚で話さないよう、言葉遣いには注意してください。就労後もビジネスマナーとして敬語は必要ですので、最低限の敬語は面接前に身につけておきましょう。
下記の表に、面接で良く使用し、かつ間違えやすい敬語の例を挙げましたので、参考にしてみてください。
誤 | 了解しました。 |
正 | かしこまりました。 |
誤 | ございますか。 |
正 | いらっしゃいますか。 |
誤 | うかがっていますか。 |
正 | お聞きになりましたか。 |
身だしなみ
服装について特別何か指定されなければ、スーツを着用しましょう。シャツやスーツに、シワやシミなどがついてないか、香水などの匂いは強くないか、表情が見えない髪型になっていないかをチェックします。
身だしなみを整えることは、就労後にも求められるビジネススキルです。面接官に清潔感のある印象を与えるようにしましょう。
面接官は以上の3ポイントをチェックすることで「社風に合うか」「ビジネスマナーはあるか」、つまり「あなたと一緒に働きたいかどうか」を見ています。基本的なことですが、コミュニケーションの取り方や身だしなみには気を配りましょう。
障害者採用面接でよく聞かれる質問例
自己PR
「自己PRをお願いします」
「自己紹介をお願いします」と言われる場合もあります。その場合、面接開始時に面接官が軽い自己紹介をしてくださるケースがありますので、面接官と同じか、それより少し長い自己紹介をするようにしましょう。
これまでに働いた経験がある場合は、職務経歴書に記載した実例をあげながら、応募した会社・業種で活かせるアピール内容を考えましょう。働いた経験がない場合は、学生時代の経験やアルバイトなどの経験から、自分の強みをみつけてアピールできる内容を考えましょう。
職務経歴
「今まで、どのような仕事をしてきましたか」
職務経歴書に記載していることですが、この質問を通して、書類だけではわからないスキルや知識をアピールすることができます。
そのため、「○○を経験してきました」だけではなく、任された業務内容や、どのように行動してきたのかも一緒に伝えると面接官の印象に残ります。
適性に合わせた配属をしていくため、希望の職種で活かせるスキルは何か、整理して説明できるといいでしょう。
退職理由
「転職理由を教えてください」
面接官は、あなたに入社いただいたら、長く働いてほしいと思っています。そのため、退職理由にご自身の障害が関係している場合は、正直に伝えましょう。
しかし、「上司が嫌だった」など、また同じ理由で辞めてしまうのではないかと懸念される理由は避けた方がいいです。その不満に対し、仕組みを変えようと何か行動をした場合は評価につながりますが、前職への不満を述べる場ではないことを覚えておきましょう。
退職理由は「○○がしたいから前職を退職し、この会社に応募した」と、志望動機に繋がるものです。「○○がしたい」と前向きな内容を答えるようにしましょう。
志望動機
「当社を志望した理由を教えてください」
「応募した会社のどこが良いのか」「会社で何がしたいのか」を具体的に話しましょう。
ここを具体的に伝えられないと、面接官は「とりあえず応募してみただけなのかもしれない」と思ってしまいます。この会社で働きたい理由も、会社でしたいことも具体的でないならば、「すぐに辞めてしまうかもしれない」と考えます。
独自の事業展開や会社の理念、社風などと、自分の経験や想いを絡めて具体的に伝えることができれば「長く働いてくれそう」と好印象を与えることができます。
障害について
「あなたの障害について説明してください」
「どこまで話せばいいの?」と疑問に思う方が多い質問です。
その場合、発症の経緯・診断名・現在の状態(頻度)・医師の見解・希望する配慮を整理して伝えましょう。
「仕事をするにあたり、何か必要な配慮はありますか」
配慮は、設備面などのハード面と、周囲の理解や協力のソフト面に分けて伝えると良いです。
「こういった業務はできません」とネガティブな情報だけを伝えるのではなく、「こういった業務は難しいですが、こういった業務はできます」と働くことに前向きである姿勢を伝えるように意識しましょう。
他にも、障害者手帳の有無、服薬の有無、通院頻度、症状が出るきっかけと対処法などを質問されることがありますので、答えられるように整理しておきましょう。
・長く働くことができるか
最後に
面接官が、面接を通して見ているのポイントは「長くは働ける人かどうか」「仕事に適性があるかどうか」に集約されます。
障害や難病をお持ちの方を対象とする就労移行ITスクールでは、面接練習をすることや体調の安定、Web・ITスキルを身に着けることで、みなさんの就活をサポートさせていただいています。
よりあなたの魅力が伝わるよう、一緒に頑張っていきましょう!