日本で初めてのLGBT学生センター・早稲田大学GSセンター「多様性が目に見えれば変わっていく」

早稲田大学GSセンター専門職員
大賀一樹
 たいがかずき (Twitter)
1988年生まれ、島根県出身。
3歳から自身の性別に違和感を覚え、20歳でXジェンダーと自認する。臨床心理士と公認心理師の資格を持ち、早稲田大学GSセンターのほか公立学校のスクールカウンセラーやNPO法人共生ネット理事、日本女子大学ダイバーシティ委員を務めている。

昨今、ジェンダーやセクシュアリティに関する議論が活発に行われています。
「ラスト・フレンズ」や「おっさんずラブ」、「きのう何食べた?」など同性愛を取り上げた作品が人気を博すことも珍しくなくなりました。

しかしコメディとして扱われやすい”オカマ”のイメージが根強く残るなど、ジェンダーやセクシュアリティに関する悩みを抱える人がまだまだ多く居るのが現状です。

そんな中、早稲田大学に日本で初めてのLGBT学生センターであるGSセンターが開設しました。

今回Puenteは、GSセンターの専門職員を務める大賀一樹さんにインタビューする機会をいただきました!
性的少数者「セクシュアルマイノリティ(通称:セクマイ)」についての疑問や、大賀さんが3歳から感じていた性別違和、社会の課題などを伺いました。

セクシャルマイノリティ(セクマイ)とは
トランスジェンダーなど、性自認が生まれた時の身体的な性別と異なっていたり、性的指向が異性愛ではない人々のこと。英語の頭文字をとって「LGBT」と表現されることがあるが、恋愛や性愛の対象となる性、自身の性別についての捉え方は多様で、人によって違うため、この枠組みに当てはまらない人もいる。

(参照元|朝日新聞デジタル)

セクマイはどのくらいいる?

ーー最近はセクマイという言葉を耳にしますが、実際どのくらいの人がセクマイなんでしょう?

調査がされていて、電通の「LGBT調査2018」では該当する人が8.9%、博報堂のLGBT総合研究所の「LGBT意識行動調査2019」ではLGBT、性的少数者に該当する人は10%というデータが出ています。

どちらもインターネット調査なので信憑性がないと批判的な声もあるのでインターネット調査ではないデータをあげると、三重県の県立の高校生1万人に調査したアンケートでもLGBTQ+に該当する人は10.0というデータが出ています。

私はジェンダーとセクシュアリティでいえば誰もが当事者だと思っています。誰もが何かしらのジェンダーやセクシュアリティであってフツウはないのに、それを自分が知らないだけだということに尽きると思います。

 

ジェンダーとセクシュアリティの違い

ーージェンダーとセクシュアリティは並列で語られることが多いと思うのですが、何が違うのでしょうか?

ジェンダーとセクシュアリティはもともと、ジェンダーとセックスと言われていました。
ジェンダーは社会的に周りや自分が判断している社会的な性を指し、セックスは身体の構造や染色体など生物学的な性を指します。

(出典元|オクです。)

ジェンダーとは

セクシュアリティが生理学・生物学的な観点から性的指向や無意識的に惹かれる性を指すのに対し、ジェンダーは心理学・社会学的な観点から自分が認識している性や社会的に認識されている性を指します。

自分が認識している性と社会が自分を認識している性に違和がない人をシスジェンダー、違和がある人をトランスジェンダーと言います。

よくジェンダーは日本語で「男らしさ、女らしさ」と解釈されることが多いですが、それはジェンダー自体ではなく、ジェンダーを規定するもの(規範や固定観念、性別役割、ステレオタイプなど)の1つに過ぎません。

セクシュアリティとは

生物学のセックスは人間の性別は必ず何かの要素で判断できると考えていて、人間の性別は生殖器や、染色体、ホルモン量等で、男女に必ず二分化できると考えられてきました。

しかし人間の性別は生殖器や骨格、染色体やホルモン数値、ましてや身体を解剖して「これがどうだから女性だ」とは必ずしも判断できません。

実際、私たちが日常生活で自分の性別や他者の性別を判断する際(性別欄に記入する際など)に、それらの生物学的な検査を受けることを勧めて逐一考慮するわけではありませんし、そもそも人間の尊厳としてその人が社会で暮らしているままの性別を尊重するべきという価値観に変遷してきたからです。

なのでだんだんセックスはセクシュアリティに変遷したんです。

セクシュアリティは自分自身の性別が何かという性決定の話から、誰に魅力を感じるかなどの性行動の話にシフトし、現在は性的指向や無意識的に惹かれる性などの総体を指します。

 

ーーLGBTはジェンダーとセクシュアリティのどちらですか?

どちら、という決定論的な話はできませんが言葉の成り立ちだけを見ればレズビアン、ゲイ、バイセクシュアルは恋愛や性的指向を指すのでセクシュアリティの話です。

トランスジェンダーは自分が認識している性と社会の認識している性(社会が本人に割り当ててくる性)に違いがあるという意味でジェンダーの話です。

バイセクシュアルとトランスジェンダーは言葉のままなので分かりやすいと思います。セクシュアルマイノリティの一部がLGBTであって、セクシュアルマイノリティ=LGBTというわけではありません

 

ーーなるほど。なんとなくわかってきました!

セクシュアリティとジェンダーは英語なのでわかりにくいですよね。日本語に訳せないのですが、訳すとしたらどちらも同じ”性別”という日本語になってしまうでしょう。

ネイティブの英語話者はジェンダー、セクシュアリティと言えば言葉のままそれぞれ別の意味で通じますが、日本語にはそもそも言い当てられる言葉が存在しません

もしかしたら日本の歴史的背景では自分の性に関するアイデンティティをはっきり表現する習慣がなかったから言葉にも性の多様性が現れなかったのかもしれません。

大賀一樹のジェンダーとセクシャリティ

ーー大賀さんが自認しているジェンダーとセクシュアリティは何ですか?

私のジェンダーはX ジェンダーで、セクシュアリティはアロマンティックアンドロデミセクシャルです。

簡単に言うと男性でも女性でもなく、恋愛感情は誰にも向かないか限りなく薄いけど信頼できる人間関係の中においてはその人が男性的だと私が認識した場合、まれに惹かれることがある、という人間です。

 

Xジェンダーとは

Xジェンダーは日本語由来の言葉でノンバイナリーという言葉もあります。バイナリーは二項対立や二元論という意味で、ノンバイナリーつまりXジェンダーは男女の二元に還元できない性です。

わたしは自分のことを男性でも女性ないと思っています。強いて言うなら人間自認があって、人間であるというだけでそれ以上なにもありません。

 

アロマンティックアンドロデミセクシャルとは

アロマンティックとアンドロセクシャルとデミセクシャルという3つのセクシュアリティを組み合わせた言葉です。

アロマンティックは恋愛感情を感じないが性的欲求は抱くことがあるというセクシュアリティです。アンドロセクシャルは男性に性的に惹かれることを指し、デミセクシュアルは基本的に性欲を抱くことはないけど、強い信頼関係の中においてはまれに性的欲求を抱くことがあるセクシュアリティです。

わたしがパートナーとして性的に惹かれたのは男性でした。でもそもそも人を好きになる感覚がよくわからないということに悩み続け、少なくとも強く恋愛感情を抱かないと気が付き、2~3年ほど前からアロマンティックとデミセクシャルであると自認しています。

 

–ロマンティックとセクシュアリティは何が違うのでしょうか?

だんだん難しくなってきましたね(笑)
どちらもセクシュアリティを表現する時に使われてロマンティックは恋愛的な指向性、セクシュアリティは性的な指向性を指しています。

恋愛感情は女性に向くが性的に惹かれるのは男性という人もいれば、もっとクロスしている人も相談現場にはたくさんいます。

今までは恋愛的に惹かれることと性的に惹かれることは同じだと思われてきましたが、そうではないということがわかってきたので今では使い分けられているんです。 

–大賀さんが自分の自認したきっかけはなんでしたか?

自分のことを男の子だとは思っていなかったので、人間扱いではなく「男の子扱い」をされ出したり、性別違和は3歳くらいからありました。

Xジェンダーと自認したのは20歳のときです。当時所属していたセクマイのサークルで友達が「自分はXジェンダーで、男にも女にも属さない」とカミングアウトしたのをきっかけに自認しました。

 

カミングアウト

ーー大賀さんはカミングアウトしていますか?

今はインタビューを受けたり講師として話をするなかで結構カミングアウトしています。

ですが初めてのカミングアウトはすごく抵抗感がありました。今考えると自分が自分であることを認め切れていなくて自分自身に偏見があったんだと思います。その戒めもあって今はカミングアウトするようにしています。

カミングアウトとは、LGBTの当事者であることを周囲に伝えること。
逆に、LGBTが性的指向や性自認をカミングアウトしていない状態をクローゼットと表現する。

(参照元|ビジネス+IT)

 

ーー私はカミングアウトには勇気が必要だと感じています。大賀さんはどういうタイミングでしていますか?

例えば「結婚されてるんですか?」と聞かれて「予定はないです」と答えると大抵「じゃあ彼女はいるんですか?」となります。そこで「ちょっと説明してもいいですか?」と言いアロマンティックというセクシュアリティで恋愛感情が誰にも向かないということを説明しています。

私はこうやって会話に合わせてカミングアウトしているので「Xジェンダーでアロマンティックでアンドロセクシャルで…」と全部を説明することはまず無いですね。

カミングアウトできるようになったのは海外ドラマの影響があるかもしれません。海外ドラマだと女性に女性のパートナーがいても「その人とはどういう経緯で付き合ったの?」と自然と会話が進んでいくんです。

私はとにかく複雑なセクシュアリティを持っているので、例えば「私はレズビアンです!」のように相手にわかりやすく言えなかったのですが、受け取る側との会話のキャッチボールのひとつだ」と思うとカミングアウトしやすくなりました。

 

ーー私はカミングアウトしたことで過度に配慮されるのも嫌なんです。

それは私もそう思っています。でも配慮して欲しいことと配慮しすぎだという言動をまず自分の中で整理する必要があります。

漠然とカミングアウトするから不安になってしまうと思います。なのですぐに他人に見せなくてもいいのですが、自分の取扱説明書をまずは自分のために作るのがカミングアウトの抵抗感を1番なくす方法だと思っています。

性表現のこだわりと生きづらさ

ーー性表現にこだわりはありますか?

高校生の頃は肩につくほど髪が長くて化粧もしていましたし、Xジェンダーという言葉に出会い自分を知ってからは自分の性を表現することを楽しんでいました。

今はあまり性表現にこだわりが無くなってしまいましたね。それに社会に出ると二元論なのでやっぱり生きづらいんです。

私はスカートやヒールを履くことにも”男性らしい”格好をすることにもどちらにも執着がありません。なので結局割り当てられた性の見た目をするのが楽、というかこれ以上対処のしようがないんですよね。

私に強く女性の自認があれば別ですが、そうではないので”私がなぜスカートを履いているのか”をいちいち説明するのはめんどうですし疲れます(笑)

今の見た目をしていると指をさされたり何度も見られたり、何かを言われたりもしませんが、その代わり自分のジェンダーやセクシュアリティについて説明すると、逆に理解されにくくはなっています。

かといって、マツコ・デラックスさんのようにいわゆるデフォルメされた格好をしていれば「あの人はLGBTQだ」というバイアスがかかり”わかりやすい”のかもしれません、私は”(男・女扱いされずに)人間としてただ生きたいだけ”なので難しいですね。

3歳からの性別違和と自殺の計画

ーーほかに生きづらさを感じたことはありますか?もしよければ聞かせてください。

3歳くらいから18歳くらいまでずっといじめられていました。しかも学校の先生はそれを容認していて、例えば「オカマこっち来い!」と言われたりいきなりズボンを脱がされていても先生はスルーです。

高校生の頃、男性に性的に惹かれることがありわけがわからなくなり高校時代はほとんどネットゲームの世界に逃げてひきこもっていました。

そのあと東京の大学に進学したのは、地元では私が勉強しても運動しても個性そのものを否定され、「ただのおかしい人」だと思われていたのでそこから逃げ出したかったからです。それから「東京なら私を認めてもらえる可能性があるのでは」とも思いました。

実際、東京では友達ができましたがカミングアウトすることはできませんでした。そういう人たちが自分によくしてくれればくれるほど苦しくなっていき、「今は普通の人だと思われているからいじめられていないけど、普通じゃないことがバレたらまたいじめられるんじゃないか」とずっと思っていました。

どうしても社会には異性愛者が多く、みんなはそれが普通のことだと思っているので、そういう人たちと話をする度にしんどくなって鬱になり、結局大学にもアルバイトにも行けずまたひきこもっていました。起きようとしても起きられないんです。

当時は奨学金を借りて大学に通っていたので「莫大な借金を抱えて私は何をしているんだ」「きっと仕事もできないし早めに死んだ方がいい」と思えてきて、自殺の計画をして親に「死にます」と電話しました。

 

命拾いしたセクマイサークルとの出会い

ーーどうやって立ち直りましたか?

その時ちょうどネットでmixiが流行っていて、そこで「自分はゲイだ」と言っている同い年の人にも「死にたい」と言うと「セクマイのサークルがあるから行ってみれば?」と言われました。このセクマイのサークルのおかげで私は命拾いをすることになります。

正直「サークルに入ったところで…」と思っていました。でも行ってみると「安全な場ってこういうものなんだ」と感じました。1人1人違って当たり前だという前提があって「自分はこうだ」と言っても否定されずに尊重してくれたんです。

私がXジェンダーだと自認したきっかけの友達を含め、そのサークルには本当にいろいろな人がいました。今までセクマイと言えばテレビのオネエキャラしか見てこなかったので「みんな普通に生きてるんだ」と思えて、そしたら自分も生きられるかもと思えたんです。

ジェンダーセクシュアリティの視点から社会の課題

ーー早稲田大学GSセンターやNPOなどで幅広く活動している大賀さんから見て、社会の課題は何だと思いますか?

偏見や差別は誰でもしているしそれに自分が含まれているということを自覚していないことだと思います。私でも差別や偏見をしてしまいますが、それを自覚しないとなにも始まらないと思うんです。

「私は今まで女性だとか男性だとかで判断して差別したことはありません」と言い切りながら、笑顔で悪びれもなく女性にはちゃん付けで男性にはさん付けをしている人もいます。

こういうのを”区別”という人もいますが、本当に”区別”したいのなら、一人一人の数だけある膨大なセクシュアリティを一つ一つ丁寧に知識として学習し、学んでいただく必要がありますね。

社会的な課題としては、ジェンダーセクシュアリティの視点から社会を変えようとする動きがあっても、意思決定できる権威的な立場の人が「No」と言ってしまうとすべて止まってしまうことだと思っています。それで困った当事者がGS センターや相談現場にきています。

ーー日本とアメリカなどの違いは何だと思いますか?

日本は多様性が目に見えていないというのが大きいのかなと思います。本来は、いろいろな民族が流入してきて日本が作られているという意味でも、今現在多くの民族がいるという意味でも日本は多様であるはずです。

でも”出る杭は打たれる”や”臭い物に蓋をする”ということわざが表しているように、本当は気づいているのに「エラーはない」「想定外はない」ということにして、とりあえず”まとめないと”安心できない文化なんだとも思います。

例えば「10人に1人気持ち悪い人がいたら、その人を排除すればほかの9人は助かる」という、何か異質なものを排除して安心する思想になっていることは問題だと思っています。

ではアメリカには差別や偏見がないのか、というとそれはもちろん違います。アメリカでも暴力的な差別やヘイトクライムが起こっていますし、銃社会なので人が簡単に死にます。そういう課題はありますがセクマイである自分を否定することは少ないです。

「LGBTQとして生まれたことは否定したくないが周りから差別を受けて困っている」のがアメリカ型の相談だとしたら「どうしてLGBTQとして生まれてきたんだ、早く死にたい」というのが日本型の相談だと相談支援をしていて感じます。

 

ーー変わっていくと思いますか?

変わっていく気がしています。さっき言ったように日本は目に見えないだけで多様であるし、人種にしても働き方にしてもだいぶ多様になってきています。
そうやって多様性が目に見えてくれば考えざるを得なくなるので変わっていくと思いますね。私はそう信じ続けます。

 

早稲田大学GSセンターとは

–GSセンターについて教えてください!

GSセンターはジェンダーセクシュアリティセンターの略で、2017年4月から開設している日本では初めてのセンターになります。

2015年に「Waseda Vision 150 Student Competition」で総長賞を獲得したのがダイバーシティ早稲田というサークルの『日本初! LGBT学生センターをつくる』でした。総長賞を獲得した企画は2年以内に実現するので、その通りに実現したものがGSセンターです。

「Waseda Vision 150 Student Competition」とは、学生が、大学への提案とプレゼンスキルを競うというもの。早稲田大学が創立150周年を迎える2032年にあるべき姿を描き(ビジョン)、その実現に向けて行動するための計画を「Waseda Vision 150」という。このビジョンに関連するテーマを学生が自由に設定し、具体的な施策をプレゼンテーション動画を使って提案するのが、このコンペティション。

(参照元|早稲田大学体験WEBサイト)

 

ーー早稲田の学生ではなくても利用できるんですか?

個別相談を受けられるのは早稲田の在学生だけですが、GSセンターはコミュニティスペースなので全人類誰でも利用できます。

開いている時間は早稲田大学の授業実施日(月~金)の9:00~17:00。
場所は早稲田大学10号館の2階でレインボーフラッグが目印です。

グランドルール

 

・主語の大きさに注意。(男は、女は、みんなは…と言わない)

・みんながみんな自分と同じ考え方ではない。(わたしはこう思うと言いましょう。あの人がこう言ってたはダメです)

・見た目で判断しない。

・ここだけの話です。(ここで聞いたことや誰がいたかの情報は他で話してはいけない)

・話したくないことは話さない。

・声のボリュームに配慮する。

・退出をお願いすることもある。

ーー利用者はGSセンターに来て何をしているんですか?

基本みんな本を読みに来ています。大人数で来ることはほとんど無く、GSセンターで集合して話をしていますね。

利用者数は1年目が980人、2年目は1300人、今年は1800人です。相談件数は1年目が120件、2年目が250件、3年目が400件なのでどちらも増えてきています。

それから学内外を問わずイベントや研修を実施しています。映画の上映などGSセンター内のアットホームなイベントと、ゲストを招いた大きなイベントを行っています。 

 

ーーGSセンター以外にジェンダーセクシュアリティの相談機関はありますか?

GSセンター以外の相談機関は日本でも増えてきていますが、予算化されない現状があるので自助グループやNPOがほとんどです。
でも2015年くらいまでLGBTという言葉自体が知られておらず当事者も自認できないので相談すらできない状況でしたが、最近は電話相談などが渋谷区と世田谷区を中心に少しずつ増えてきています!

 

メッセージ 

セクマイを自認している人に向けて

LGBTQ+として生まれてきたことを受け入れられず、戸惑ったり自分を否定することもあると思います。ですがもし正しさというものが1つだったら、天才の遺伝子を集めてクローンにして人間全員クローンにしてしまえばいい話ですが、社会はそれを求めていません。違いが大事なんです。

セクマイであることは決して弱くありません。そして社会的に弱者であることは「弱さ」ではありません。もっというなら「弱さ」自体、何ら悪いものではありません
悩むことはあると思いますが信頼できる人がいたら相談してほしいと思います。

セクマイの友人がいる人に向けて

「自分自身も紛れもない当事者だ」と思って欲しいです。生きていく中で葛藤したり自分を否定することは誰にでもあることだと思います。その1つがLGBTQ+であるという人たちがいるのであって、それは決して軽視されるべきことではありません。

自分がいかに偏見や差別をしてきたのかに落ち込むのではなくて、だからこそ誰かのために自分のためにできることを探していって欲しいと思っています。 

 【編集後記】
今回取材したのは早稲田大学GSセンターの大賀一樹さん。常に笑顔で柔らかい雰囲気の方でした。
なんと大賀さんはスクールカウンセラーとして船に乗って出勤されているそうで、上の写真はその事実を知り驚いている瞬間です(笑)
今回の「インタビューでカミングアウトして過度に配慮されるのも嫌だ」という私に「配慮して欲しいことと配慮しすぎだという言動をまず自分の中で整理する必要がある」と言ってくださったことがとても印象的で、私も昔の大賀さんと同じように自分が自分であることを認め切れていないんだと思い知りました。目をそむけたくもなりますが、少しずつ向き合っていきたいと思います。
(編集者|佐藤奈摘

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