株式会社FastMotion取締役
藤沢 大樹 ふじさわだいき
株式会社FastMotion取締役。弟である基樹さんが経営をする株式会社FastMotionにジョイン。今回、弟の基樹さんとともに2021年4月1日に神奈川県横浜市に就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口を、2022年4月1日に横浜駅西口第二オフィスを開所する。
株式会社FastMotion 施設責任者
米原 朝花 よねはらあさか
株式会社FastMotion 就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口第二オフィス施設責任者。大学卒業後、広島市内で英語教員・塾講師として働く。その後、2021年4月に株式会社FastMotionにジョインし、就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口で支援員として従事。そして今回、施設責任者として就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口第二オフィスの立ち上げを行う。
今回、インタビューを行ったのは、株式会社FastMotion取締役の藤沢大樹さんと、福祉事業部施設責任者の米原朝花さん。
株式会社FastMotionは、2021年4月に、神奈川県横浜市に「就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口」をオープンさせました。
そしてこの度、新たに横浜の地で「就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口第二オフィス」をオープンさせます。
今回のインタビューでは、動画編集に強いFastMotionがなぜ就労移行支援事業に参入をしたのか、また、新たに「就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口第二オフィス」をオープンするに至った経緯をお聞きすることができました。
「社会貢献」に対する株式会社FastMotionの熱い想いを、藤沢さん、米原さんのお二人にお話しいただきました。
目次
就労移行支援事業所とは?
就労移行支援とは、発達障害や精神障害のある一般企業への就労を目指す方に向けて、生活リズムの安定やスキルの習得、就職活動や定着の支援を行う福祉事業です。
一般型の就労移行をはじめ、IT特化型の就労移行や障害種別に特化した就労移行などがあります。
就労移行支援の利用条件
就労移行支援は18歳〜65歳未満の障害のある一般企業を目指す方が利用することができます。障害者手帳がない場合も、自治体の判断により就労移行支援を利用することができることがあります。
就労移行支援事業所には、実際に以下の障害のある方が通われています。
【精神障害】うつ病・統合失調症・躁うつ病(双極性障害)・不安障害・適応障害・アルコール依存症など
【発達障害】ADHD・LD・アスペルガー症候群・自閉症スペクトラム・広汎性発達障害など
【身体障害】難聴・聴覚障害・視覚障害・肢体不自由・内部障害など
【その他】知的障害・難病
就労移行支援の利用方法
就労移行支援事業所の利用方法は以下の通りです。
①通える範囲内で事業所を探す
②気になる事業所にWebまたは電話でお問い合わせをする
③事業所にて、無料の相談・見学・体験を実施する
④通いたい事業所が決まったら、お住まいの地域の障害福祉課でサービス受給者証を発行する
⑤就労移行支援事業所にて利用契約をし、サービスの利用を開始する
株式会社FastMotionが就労移行に携わるまで
ー今回は2022年4月に就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口第二オフィスを開所する株式会社FastMotionの藤沢さん、米原さんにお話をお伺いしました。
ご経歴
ー藤沢さん、米原さん、よろしくお願いいたします!早速ですが、お二人が株式会社FastMotionに入社するまでのご経歴を教えてください!
藤沢さん:はい!株式会社FastMotionの取締役を務めています、藤沢大樹です。
株式会社FastMotion入社前は、日産自動車や自動車ITスタートアップにて仕事をしてきました。
その後、弟の基樹の会社であった株式会社FastMotionにジョインをし、就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口を運営しています。この度、新たに就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口第二オフィスをオープンします。
本日は、よろしくお願いいたします。
ーよろしくお願いいたします!株式会社FastMotionは、元々は映像の会社だったとお聞きしているのですが、なぜ就労移行支援を始められたのでしょうか?
藤沢さん:そうですね。
最初は映像の会社だったのですが、そこから就労移行支援事業を始めた理由としては、既存の就労移行支援の矛盾を感じていたのでそこの課題を解決したいという想いがあったからです。
就労移行支援の多くの事業所で挨拶の練習やテレアポ、電話受付などの練習に時間を費やしている。今時、そこって重要視するポイントではないと思っています。
就労移行支援で障害のある方が企業のニーズのあるスキルを持てるような支援をしないと、企業の「雇ってあげている感」は消えないと思うんですね。
そこで企業にニーズのあるスキルという点で、自分たちが扱っていた映像の分野が非常にマッチするなと考え、LOGZGROUP株式会社のVSP(ビジョンシェアリングパートナー)に加盟をし、就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口を開所しました。
↓就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口開所インタビューはこちら↓
ー前回のインタビューも拝見しましたが、「企業のニーズのあるスキルを獲得してもらう」というのは、株式会社FastMotionの就労移行支援事業における一つの大きなテーマですよね。
お次に米原さんのご経歴も教えてください!
米原さん:はい。株式会社FastMotionの施設責任者の米原朝花です。
大学卒業後に教育の業界に入り、前職では広島市で中学校の英語の教員や塾の講師をしていました。
子どもたちという未来への財産をサポートしていく仕事がしたくて、教育業界に入りました。その後、株式会社FastMotionに転職をし、就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口の支援員として働きました。
この度、就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口第二オフィスの施設責任者として立ち上げから携わっています。
ーそうなのですね!教育の業界から障害者福祉をやろうと思ったきっかけが何かあったのですか?
米原さん:障害者福祉の領域には少し興味があったんですよね。というも、教員資格をとるために、特別支援学校と就労継続支援B型に実習に行きました。
そこで純粋に楽しさを感じたのと、一般学級の教育は、生徒40人に対して教員1人など結構大きな規模の対応になると思うんですね。周りのフォローがあっても、どうしても手が行き届かないところがある。
ですが、福祉の業界は結構少人数で密に関われますよね。
密に関わると、その分できることも増えるし、自分が仕事を通してやりたいことはそういったことだと感じました。そのことをきっかけに福祉業界に転職し、就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口で支援員として仕事をしていました。
藤沢さん:事業所の中でも、よく利用者さんに相談に乗ってくれと言われているよね。
米原さん:比較的、そうですね。そこは前職の経験が生かされているかもしれません。
基本的に聞くことを意識し、質問をして、どんどん引き出していくことを意識しています。
そこは、教育も福祉も、根本の意識は変わらないかなと思います。そして、第二事業所でも意識していきたい点でもあります。
ルーツ横浜駅西口第二オフィスができた経緯
ーありがとうございます。
約一年間、就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口を運営していたとのことですが、新しく第二オフィスを開所した経緯を教えてください!
藤沢さん:まず、理由の一つが最初に作った横浜駅西口のオフィスが満員になったんですね。それだけ利用者さんのニーズがあるということだと考え、ニーズがあるならと第二オフィスをオープンする流れとなりました。
二つ目の理由は、就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口でビジョンとして掲げていたのが、「人材育成を通じて雇用を生み出し、社会に貢献する」ことなんですね。
それはご利用者さんはもちろん、スタッフに対してもそうです。
事業所数を増やしていくことで、よりたくさんの人をサポートすることができ、より雇用が増えていく。
そういった考えがあり、第二オフィスをオープンしました。
ー障害のある方の雇用を生み出していく、そのためにどのような取り組みをされているのでしょうか?
藤沢さん:まずは「自分の価値を向上させていく」サポートができればと思っています。
ご利用者さんが生産性を持つことで、市場価値が上がっていき、雇用に繋がっていく。
ご利用者さんの市場価値を上げるために、就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口/横浜駅西口第二オフィスでは、動画編集やWebのスキルを身につけられるようなカリキュラムを作成しています。
就労移行に携わって一年、なぜ新規拠点のリーダーに?
ー同じビジョンを持って、就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口第二オフィスがオープンすると思うのですが、米原さんが第二オフィスの施設責任者になった経緯はどのようなものだったのでしょうか?
藤沢さん:2店舗目にはなるのですが、同じものは作りたくなかったんですよね。新しいものを作りたい。そこで、僕以外の人間を責任者に立てました。
やっぱり新しいことをやると、新しい発見がある。だから、申請というところから全て米原に任せています。
ーそうなのですね、米原さんは最初に責任者をやると聞いたとき、どう思われましたか?
米原さん:率直にはすごくびっくりしました。
ですが、ルーツ横浜駅西口のブレないビジョンを間近で見て、頑張らねばと思いました。
スタッフの市場価値というところに目を向け、新しいリーダーを育てていく。そこでリーダーが育つことで、枝葉が伸びるように雇用が増えていき、社会貢献に繋がる。
そんなビジョンを体現しているのを間近で見て、それを自分も実現したいと思いました。
今までの一支援員と同じ目線だとうまく行かないし、成長もしていかない。だから、リーダーとしての目線で考えられるように常日頃から意識をしています。
藤沢さん:実際に任せてみると、メキメキ成長しているよね。
同じものは作りたくない。二拠点目だからこそできること
第一オフィスと第二オフィス、感じる雰囲気の差
ー先ほど、同じものは作りたくないというお話が出ましたが、第一オフィスと第二オフィスで何か違いなどはありますか?
藤沢さん:第一オフィスは、緑を基調とした空間を意識したのですが、結構雰囲気は違うかなと思います。
米原さん:女性でも入りやすい空間は意識していますね。
第二オフィスは、第一オフィスと違ってテラスがないんですね。どうしても閉鎖的な空間になってしまいます。
だから、リフレッシュがしやすいようにリラックスできるスペースも作る予定です。
ーそうなのですね、第二オフィスは雰囲気を変えていくとのことですが、実際にどのような事業所になっていくのでしょうか?
藤沢さん:第一オフィスと良いシナジーが生めればと思っています。
雰囲気としては、横浜駅西口の第一オフィスは、ご利用者さんたちの仲もよく、少し賑やかなんですね。
和気あいあいとしていて、それが好きな方もいれば、静かに学習したいという方もいらっしゃいます。
そういった方は第二オフィスをご案内して、ご利用さん一人ひとりにあった環境でサービスを提供できればと思っています。
ー第一事業所と第二事業所では、雰囲気で差別化をされていくのですね。
藤沢さん:そうですね。自ずとそうなってくるかなとは思います。
どこの事業所にも、リーダーや支援員の色が必ず出てくる。そこは楽しみなところの一つです。
二拠点を運営するFastMotion。だからこそできる取り組み
ーVSP(ビジョンシェアリングパートナー)として、2店舗目をオープンさせるのは、株式会社FastMotionが初めてですよね。1店舗目をすでに運営しているFastMotionだからできる取り組みなどはありますか?
米原さん:一番の大きなポイントは、最初から安定したサービスを提供できるという点かなと思います。
やっぱり、1店舗目は初めての取り組みではあったので、少し手探りな部分も最初はありました。ですが、1店舗目を1年間運営していたことで、ノウハウも経験も溜まっています。
そのノウハウや経験から、ご利用者さんのご状況やご希望に沿って支援を変えることができたり、カリキュラムも充実した状態から始めることができますね。
ー1店舗目を運営しているからこそ、最初から安定した支援、サービスを提供できる。それはすごい強みになりますよね!
ルーツ横浜駅西口第二オフィスの就労カリキュラム
ルーツ横浜駅西口第二オフィスが提供する学習カリキュラム
ールーツ横浜駅西口第二オフィスで受けられる学習カリキュラムを教えてください!
米原さん:基本的には、就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口のカリキュラムと同じものを提供していこうと考えています。
基本的には利用者さん一人ひとりの能力に合ったことを教えて、できることを増やし、自分の価値を高めて行っていただけたらと思っています。
Word、Excel、PowerPointなどの事務スキルから、PhotoshopやIllustratorなどのツールを使ったデザインスキル、映像制作やプログラミング等のスキルを身につけられるように支援をしていきます。
藤沢さん:もともと映像制作を事業としてやっていた会社ではあるので、映像系のカリキュラムはより力を入れていますし、Web系のカリキュラムも作成をし、充実をさせています。
ー本当に幅広いことを学べるのですね!パソコンメインのカリキュラムとのことですが、自分の進路に合わせたスキルや能力が身につけられるようになっているのですね。
ルーツ横浜駅西口第二オフィスの就労サポート
ー就職という面では、どのような就労サポートの仕方を考えられているのですか?
藤沢さん:僕自身が、人事周りも経験しているんですね。だから、どのような人材が企業に求められているかも大体わかっているつもりです。
ルーツ横浜駅西口第二オフィスでは、そういった企業のニーズに合った人材を育てていきたいと考えています。
履歴書や職務経歴書の添削などの支援はもちろん、企業にはどういった人材が求められていて、そのニーズに沿うためにはどのような力が必要なのか、そういったところを身につけられるよう支援をしていきたいです。
興味関心から、経験やできることを増やしていただき、利用者さん一人ひとりの人柄も加味した上で、どのような企業マッチするかを考え、サポートをしていけたらと考えています。
「雇用を生み出していく」社会貢献をするために
ー最後に、ルーツ横浜駅西口第二オフィスの利用を検討されている方にメッセージをお願いします!
藤沢さん:一人で悩まずに、自分の価値を見直す時間にしていただきたいと思っています。
米原さん:そうですね。中には、福祉サービスを利用するということに対して、少しハードルが高いなと感じている方もいらっしゃるのではないかと思います。
できれば、そのハードルが低くなるような環境作りなど、事業所としても努力をしていきたいですね。
就労移行支援事業所は、みなさん、自分のために来られる場所だと思うので、自分の未来のことだけを考えてもらえるような場所にしていきたいです。
興味があったら、いつでも気軽にきていただければと思います。
ーありがとうございます!就労移行支援事業所ルーツ横浜駅西口第二オフィスは、2022年4月1日にオープンいたしました。
興味のある方は、是非一度お問い合わせください!
【編集後記】
「雇用を生み出し、最大限の社会貢献をする」というビジョンは、第一、第二オフィスで共通していますが、その中でも雰囲気の違いから相乗効果を生み出そうと考えておられる姿が印象的でした。
ビルの一室ではありますが、面談室やリラックスできるような環境、プライベートな話がしやすい環境も準備がされており、集中して訓練に取り組める環境であると感じました。
まだ真新しいルーツ横浜駅西口オフィスが、米原さんの手によってどのように変化をしていくのか、どのような事業所になっていくのか。
それを見るのが今からすごく楽しみです!
(編集:笹本美結)