スプーン株式会社 就労移行支援事業所ルーツ天神 事業責任者
瀬戸山 慎治 せとやま しんじ
鹿児島県出身
スプーン株式会社が運営する、就労移行支援事業所ルーツ天神で事業責任者を務める。高校卒業後に上京し、飲食業や工事現場、製材所など様々な職業経験を経て、通所型の生活介護職員を務めた。その後営業職を経験し、現在はスプーン株式会社で事業責任者を担当する。
今回インタビューを行ったのは、スプーン株式会社の瀬戸山慎治さん。
スプーン株式会社は、この度新規事業として、2021年12月1日に就労移行支援事業所ルーツ天神をオープンしました。
今回のインタビューでは、スプーン株式会社が生まれた経緯、会社のビジョン、なぜ就労移行に携わることを決めたのかなど、瀬戸山さんの熱い思いをお聞きしました。
目次
就労移行支援とは?
スプーン株式会社が新規事業として始める就労移行支援ですが、どのような事業か詳しくご存知ですか?
就労移行支援事業とは、障がい福祉サービスの一つで、就職するために必要な各種技能を身につけるための支援が受けらるものです。実際の職場環境に近い雰囲気のオフィスで訓練が行えたり、自分の障がいや特性に合った個別のプログラムを受けられたりとメリットがたくさんあります。
障がい者手帳が必ずしも必要というわけではなく、医師や自治体の判断で障がい者手帳がなくても就労移行支援を利用できることがあります。
就労移行支援事業の内容
就労を希望する65歳未満の障がい者で、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる者に対して、
①生産活動、職場体験等の活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練
②求職活動に関する支援
③その適性に応じた職場の開拓
④就職後における職場への定着のために必要な相談等の支援を行う
(利用期間:2年)
※ 市町村審査会の個別審査を経て、必要性が認められた場合に限り、最大1年間の更新可能
就労移行支援に携わるまで
ー今回は、就労移行支援事業所ルーツ天神の事業責任者である、瀬戸山慎治さんにインタビューをしました。瀬戸山さん、本日はよろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いいたします。
ご経歴
ーはじめに、瀬戸山さんのご経歴を教えていただけますか。
はい。私は鹿児島県の生まれで、育ちは宮崎の田舎なんですね。
高校を卒業するちょっと前に、ふと東京に行きたいと思い立ちました。大学を目指すこともできたのですが、とにかく東京で仕事がしたくて、高校卒業後すぐに上京しました。
上京後は、バイトをたくさん掛け持ちし、お金を稼いで生活をしていました。ですが金銭面で上手くいかず、結局数ヶ月後にはまた宮崎に戻ることになってしまいました。
10代の頃はとにかくお金が無かったので、お金を稼ぐためにいろんなことをやっていましたね(笑)。
その後、福祉職、営業職を経て、現在はスプーン株式会社で就労移行支援事業所ルーツの事業責任者をしています。
ー主にどういったお仕事が多かったんですか。
短期間でいっぱい稼げるっていうのに惹かれて、工場で働いてみたり、あとは、楽器屋さんやカラオケ店など音楽に関する仕事もしたりしました。
とにかくいろんなことをやって、実際に自分に合うものって何なんだろうって考えてました。気になることはやってみるというか。
ーまずは飛び込んでみることが大切ですよね。様々な経験を経て、福祉の世界に入られたと思うのですが、そのきっかけは何だったのでしょうか。
私が高校生の頃に、母が仕事の疲労で倒れてしまって、障がいを持つことになってしまったんです。今までの母と違う人みたいで、最初はその事実を受け入れるのが難しかったです。
今思うと、自分にもっと理解があったら、幅広い可能性を見て母親のサポートができたと思うんですが…。そんな自分の器を変えたいと思ったのが、福祉に携わろうと思った最初のきっかけですね。
ーそうだったのですね。障がいに関する知識や、そのような方々に触れ合う機会が無いと、急に事実を受け入れるのは難しいですよね。実際に福祉の現場ではどのようなお仕事をされていましたか。
重度の障がいのある方を支援する、生活介護をしていました。マンツーマンで仕事する働き方は自分にも合っていたのですが、「利用者さんの将来をもっと広げるにはどうしたらよいだろう?」と考えるようになりました。
ただ一日を淡々と過ごすことの繰り返しになってしまい、この生活を続けているだけでは、彼らの自立や挑戦をする機会が薄れてしまうのではないかと感じていました。
利用者さんが経済的にも体調面でも自立できるように、もっと良いサポートをしたいと思っていた時、営業職の募集を見つけました。営業をすることで、重度の障がいを持つ彼らの現状を社会に伝える能力を身につけられるのではと考え、その後転職をして4年間ほど営業をしました。
そこで、これから携わる就労移行支援の仕事に役立つような、大きな経験ができましたね。
その後、スプーン株式会社に入社し、就労移行支援事業所ルーツの事業責任者をしています。
スプーン株式会社とは
ー今回就労移行支援事業に携わることになったスプーン株式会社ですが、どのような会社なのか教えていただけますか。
「活き活きと働ける人を一人でも多く増やしたい!」そんな理念のもと設立されました。
福祉事業を新規事業として行おうとしていた時に、LOGZGROUP株式会社からVSP(ビジョンシェアリングパートナー)のお話をいただいて、福岡で就労移行支援事業をすることになりました。
ースプーン株式会社のビジョンをお伺いしてもよろしいですか。
スプーン株式会社は、「みんなが自分らしく働いて、輝いていける社会を作る」ことをビジョンに掲げています。
社会で輝いている人たちって、何かに対してすごい意欲を持ってる。でも実際、常に自分の夢や希望を追い求めながら仕事を続けるのって難しいところがあるんですよね。
就労移行を利用される方も同様で、思いの強い方がたくさんいらっしゃいます。そういった、社会で活躍したいという意欲のある人をサポートしたいという思いから、このようなビジョンを持っています。
自分のために働ける人が増えれば、もっと活き活き仕事をする人が増えて日本が元気になりますし、活躍できる人も増えるのではないかと思いますね。
ー自分がこうなりたいっていう理想像や夢って、働く中で薄れてしまいますよね。
その通りです。
自分らしく働けるようになるための場所|ルーツ天神
ルーツ天神のコンセプト
ールーツ天神の、コンセプトや大切にしたい想いを教えていただきたいです。
ルーツ天神を「自分の価値を見出し、輝ける場を見つけられるような場所」にすることを大切にしていきたいです。
そのためにはまず、「自分の尊さ」を実感して欲しい。日々の忙しさのせいで、自分のことを考えることを疎かにしてしまいがちだと思うのですが、ルーツ天神では、改めて自分を見つめ直せるような場を提供できればと思います。
また、職員が幸せかどうかというのも重要だと思います。職員の幸せな雰囲気が利用者さんにも伝染していくような場所にしたいです。
自己肯定感が生まれることで、就職や社会に再出発する自信が得られるのかなと考えています。
ー職員の雰囲気や口調は利用者さんに伝わりますよね。だからこそスタッフが幸せかどうかというのは結構大事ですね。
そうですよね。
また、コンセプトとは少し違いますが、事業所には、木や観葉植物をたくさん置いて、緑を増やして雰囲気にもこだわりたいです。
ー内装にもこだわられているのですね。
場所が広いことを利点として、圧迫感のない空間にしたいですね。席の間隔も広くとり、リラックスできる場所創りをイメージしています。
ーゆったりできる空間なら、安心して訓練にも取り組めますね!
ルーツ天神の学習サポートと就労サポート
ールーツ天神のカリキュラムやイベントについてお聞きしたいです!
モチベーションを高められるようなカリキュラムを作っていきたいですね。
目標や目的を明確に定めてもらった上で、それを達成するためにはどうすれば良いのか、それが分かるような支援をしていきたいです。
ですが、目標達成に向けてどうしていくのか、それが行動義務になってはいけなくて、ワクワクしながら考えられることでモチベーション維持に繋がっていくと考えています。
月曜日から「明日も仕事かぁ、嫌だな〜。」ではなくて、「また明日も仕事だ!早起きして頑張るぞ!」と思うためには、それが自分のやりたいことであることが重要で、ワクワクするっていう感情が必要です。
カリキュラムはこのようなコンセプトをベースに膨らませていきたいなと思っています。
どうなりたいかって具体的に意識できれば、半年後や1年後の自分が想像しやすいし、それに近づくために何をしたら良いのかがはっきりすると思うんです。
ーどのような学習や就活の支援を考えていらっしゃいますか。
まずは自分自身をよく知ってもらうところから始めたいと考えています。自分を知ることで、自分はどういうことがやりたいのかが分かる。
結局、目標を立てて何かに取り組むにしても、やりたいことが明確でないと上手くいきません。
まずは目標設定を入り口として、将来のビジョンをしっかり見据えていくことから、一緒に始めて行ければと思います。
ー本質的に目標設定ができることは大切ですよね。
就職活動の準備から実際の活動、そして定着支援はどのように考えていますか。
就職するにはまず、利用者さんが自分自身を見つめ直すことが重要になってきます。まずはそこに寄り添っていきたいです。一人では分からないことも多いですから。
また、現在福岡はIT企業がものすごく増えている地域になるので、企業開拓も積極的に行っていく予定です。
そして、独自の求人のご提案ができたり、企業見学や実習の機会を作れたらと考えています。
メッセージ
利用を検討している方へのメッセージ
ー最後に、利用を検討している方へのメッセージをお願いします!
とにかくまずは、見学にきて欲しいですね。
その一歩が、僕たちが関われるかどうかのラインになります。利用するかしないかの判断は、最終的に自分の決断になってしまうので、決断はやっぱり実際にその場所に来てからしてほしいと思います。
まずは一歩踏み出すという勇気を持ってほしいです。
私が今まで色んなことをやってきた中で、社会に対するハードルを高く思っていた時もありました。
ですが、実際に社会に出てみると決してそんなことなくて、みんな色々なことで困ってるし、出来ないことも人それぞれあります。
「出来ない」ということをネガティブに感じる方も多いですが、逆に言えばまだまだ可能性の広がるチャンスでもあります。
遊びに行くくらいの感覚で大丈夫ですので、ぜひまずは一度お越しください。
お待ちしております!
ーでは、最後に社会に向けてメッセージをお願いします!
「障がいという線引きをなくす」というのが私たちのビジョンです。
障がい者の位置付けって、結局障がいがある人じゃなくて、健常者にあると思うんです。隔たりがあるように感じるのは、私たちが壁を作っているからなんです。
こういう線引きはいらないと私は思ってるので、一緒に変えていけたらと思います。
ただ、福祉に携わる人だけが頑張ってても、この線引きはなくならないので、皆さんで障がいを乗り越えていけたらなと思います!
就労移行支援事業所ルーツ天神は2021年12月1日に開所しました。お問い合わせはこちらから。
【編集後記】
「自分の価値を見出し、輝ける場を見つけられるような場所」を目指し、ルーツ天神を運営されている瀬戸山さん。
瀬戸山さんは、社会で活躍したいという意欲を持つ方のサポートをしたいと考え、障がいの有無関係なく、活き活き仕事ができ、活躍できる人を増やしたいとお話ししてくださいました。
瀬戸山さんの「一歩を踏み出して欲しい」という想いが多くの方に届くように、そして、障がいを持った方が自分らしく生きられるように、と願っています。是非、ご相談に行ってみてください。
(編集:富田理子)